入社当初から仕事が楽しくて仕方がなかったが、3人生むためにはのんびりできないと、就職活動時代に出会っていた夫と28歳で結婚。夫も上野さんの家族計画に異存はなかった。
ところがその後、上野さんは2度の流産を経験。子どもを授かるということは、自分ではコントロールできない運命のようなものであることを痛感する。夫とも、子どもが持てないなら持てないなりの楽しい人生を計画しようと話し合った。力みがぬけ、仕事はあえてセーブせず、自然に過ごすうちに三たび懐妊。無事に妊娠継続して産休に入り、第1子を出産した。
初めての育休期間は、会社や世の中との接点がなくなってしまうのではという不安感が大きく、自宅では4紙の新聞を購読していた。さらに育休中の社員対象のe-ラーニングシステムを活用して、エクセルやパワーポイントなどのスキルを習得。育児中の先輩に復職後の様子を尋ねて、不安感の払拭にも努めた。しかし、いざ1年後に職場復帰してみると、育休中に感じていた不安はすべて杞憂だったことに気づく。
「『もう戻ってきてくれたんだ。早かったじゃない』と言われて、周囲にとっては、1年ってそれほど長くはないのだということに気がつきました。これなら遅れは取り戻せると感じて、多少気が楽になった部分はあります。なにごとも恐れずに、やってみることが大切だなと感じました」
子どもを会社近くの事業所内保育所に預け、1日30分の時短勤務と、ほぼフルタイムに近い形で復帰。復帰後の生活は、とにかく家事の時短化と仕事の効率化に努めた。子どもと一緒に夜9時半には就寝し、起床は夜中の3時半。朝の時間を家事や持ち帰り仕事の処理に充てる。テレビ局勤務の夫とは、夫婦の連絡ノートを作ってコミュニケーションがとれるように工夫をした。
2連続育休で4年のブランク
上野さんが、自らのライフプランを実現させる大きなブレイクポイントとなったのは、一気に4年間の育休取得に踏み切ったこと。そしてその間に子どもを2人産もうと考えたことだ。1回目の育休復帰から2年後、33歳で長女を、36歳で次男を出産する。
「4年間で3人の子どもと密なコミュニケーションがとれれば、私も満たされ、子どもたちにもよい影響がもたらされるのではと考えたのです。上司にも『あと2年後に、また育休に入ります。今度は4年続けてとります』と伝え続け、周囲への意識づけに留意しました」
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