育休5年取得!資生堂3児の母の人生観

子だくさんワーキングマザーの仕事術<2>

ビジネスパーソンにとって30代半ばは、組織の中で存在感を増し、リーダーシップを担う存在となりつつある重要な時期だ。だが、そのさなかに4年間のブランクができることについて、上野さんが焦りや不安を抱くことはなかったという。

「子どもを産む時期は逃してしまうと取り戻せません。『子どもは3人』と決めた時点で、キャリアの遅れは仕方がないものとあきらめました。でも、後から取り戻せるものだと思っています。今、タイミングよくやりがいのあるポジションにつけたので、ここから挽回するつもりです」

復帰直後は、会議に出席してもスピードが速くて話についていけない。ロジカルな会話もできなくなっていた自分に気が付いた。それだけ、ビジネスで使われる言語は専業主婦生活で使っていた日常的な言葉と異なるものだったのだ。しかし、それも数週間程度で乗りきった。

夫の家事分担を増やすには

新卒入社して浜松支社に配属された後、東京本社の化粧品開発部に異動。以来20年の間に本社で秘書部、広報部、商品PRでキャリアを積んできた。現在は「資生堂HAKU」のマーケティングを担当

結婚当初、家のことはまったく無意識だった夫。1回目の復帰後は、使えるサポートはフル活用して乗り切った。ファミリーサポートを活用し、夫の母には毎週1泊2日で育児や家事を手伝ってもらっていた。ところが、子どもが3人に増えた状況での社会復帰のハードルは高かった。思い切って夫に家事分担の交渉を持ちかけた。そこで行ったのが、家事作業の”見える化”だ。

上野さんは、自身と夫が担当している家事を、それぞれエクセルに入力してリストにした。その結果、上野さんが30項目もこなしているのに対して、夫は2項目しか担当していないことが”見える化”される。「明らかな違いを見て、夫も『じゃあ、具体的に指示してほしい。やってほしい項目をあげてくれれば、それは必ずやる』と言ってくれました」。

夫は、食器洗いと洗濯、二男の保育園の送り迎えを担当してくれることになった。そのうえで上野さんが徹底したのは以下のことだ。夫の担当分には決して手を出さない。多少の問題があっても目をつぶってがまんする。そして「ありがとう」という感謝の気持ちを忘れない――。

家事分担の新システムのおかげで、上野さんの仕事はいよいよ軌道に乗り始める。昨年10月、ついに復帰後初の責任ある大仕事を任されたのだ。ところが、いきなり残業が月50時間を越えるハードワークになり、業務の責任が増えたことで、精神的なゆとりが減っていった。

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