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嫌われ者の消費税、人生トータルだと実はフェア 目先の増税を離れ、「そもそも論」説く政府税調

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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消費税は、逆進的と捉えられることが多いが、実は生涯所得に対して比例的であることを答申は説いている。

「過去に稼得した所得に基づく貯蓄を取り崩して比較的高水準の消費を行っている高齢者」と、「少ない所得の中で将来に備えた貯蓄もしている若年者」を比較した場合には、「貯蓄を取り崩しつつ生活している高齢者」のほうが、年間所得に対する消費税負担額の割合が高い場合もある、と指摘する。

そして、「若いときに所得の一部を貯蓄し、高齢期にそれを取り崩して消費に充てる」というライフサイクルを前提にすると、「個々人の年間所得に対する消費税負担額」は、税制の累進性を考えるうえで必ずしも絶対的な基準とは言えないことを明示している。

したがって、生涯にわたる所得と消費に着目して考えると、消費税は生涯所得に対して比例的であるというわけだ。

また、消費税の利点について、人口減少・少子高齢化が進む中、社会保障制度の持続可能性を高めていくためには、特定の世代に偏らず幅広い国民が負担を分かち合うことができる点や、税収の変動が少ない点を挙げる。

企業の国際競争力にも影響しない

社会保障財源の面だけでなく、企業活動や経済のグローバル化の面からも、消費税の性質を説いている。

設備投資の際に課される消費税額は直ちに仕入税額控除できるため、インフレなどによる影響を受けにくく、設備投資等の意思決定に中立的である点や、最終消費地で課税を行うとの国際的に共通したルールの下、国境税調整(輸出免税)が行われるため、内外の税率差による国際競争力への影響を遮断することができる点は、消費税ならではの特徴として、経済活動を阻害しない性質がある。

こうした特徴を踏まえて、消費税の議論が客観的に進められることを願う。

今般の中期答申は、個別税目について、増税すべきとか減税すべきとかはいっさい言及していない。そうであるがゆえに逆に物足りなさを感じる読者もいるかもしれない。しかし、国民のこれからの税制論議に資する判断材料を答申として提供することが、今の政府税調が果たしうる役割なのかもしれない。

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