特別会計「こども金庫」は野放図と思いきや封印策 歳出が増えても借金を増やさない財源スキーム

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保育士と子ども
少子化対策はラストチャンス(写真・foly / PIXTA)

6月16日にも予定されている「骨太方針2023」の閣議決定に向けて、政策論議が佳境に入っている。その中でも、子ども予算については、注目度が一段と高い。子ども予算は、目下最重要の政策課題である。

経済財政諮問会議で「骨太方針2023」を取りまとめる前に、こども未来戦略会議で「こども未来戦略方針」を取りまとめ、その内容を「骨太方針2023」に反映させることとしている。

同じ週内に岸田文雄内閣における「成長戦略」と位置付けられる「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の改訂版も取りまとめられる予定で、さまざまな政策方針を矢継ぎ早に決めてゆく。まるで衆議院の解散総選挙に向けて備えるかのようである。

OECD トップ水準の子ども支出額に

「こども未来戦略方針」では、予告通り「こども・子育て予算倍増に向けた大枠」を示すこととなった。その内容は、肝心なところであいまいなままとなっているものもあるが、明確に示しているところもある。

まず、予算規模は、3兆円半ばと示された。

当初、予算規模は3兆円程度とされていた。それは、「こども・子育て支援加速化プラン」として展開することとしているこども子育て支援の強化策に費やす予定としている予算である。

残る0.5兆円前後は、高等教育費のさらなる支援拡充策や、貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児に関する支援策などで、予算規模が示される直前の5月31日になって追加されたものである。一部報道では、その予算規模の追加は、財務省も事前に知らされていなかったという。

この予算規模を実現することで、わが国の子ども・子育て関係予算は、子ども1人当たりの家族関係支出で見て、OECD(経済協力開発機構)トップ水準のスウェーデンに達する水準となり、政府はこれを「画期的」と評している。

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