「靴下脱ぐな」「席交換は断ってOK」飛行機のマナー 客室乗務員が伝えたい飛行機でのNGとOK行為
客室乗務員として21年間勤務してきた私は、あらゆる場面に遭遇してきた。パンデミックで機内の緊張は高まり、乗客の悪質な行為が暴力事件に発展するという極端な例も発生した。失礼な行動が原因で、口論やいざこざになるケースはもっと多い。
夏の繁忙期を迎えるにあたり、フライトを快適なものにする常識的な礼儀について論じておくことは、大きな意味があるだろう。
ここでは、私が考える機内のエチケットを紹介しよう。あなたにとってのそれなりの快適さと周囲の乗客への思いやりをバランスさせることを狙ったものだ。
手荷物は自分が座る座席の上の棚に
■座席を倒す権利は誰にでもあるが、丁寧に
思いっきり、勢いよく座席を倒すのは間違いだ。実際にそれが原因でノートパソコンが壊れたり、飲み物がこぼれたり、さらには殴り合いの喧嘩が起きて飛行機が緊急着陸する羽目になったことこともある。周囲の状況に意識を向けてもらいたい。座席を倒す前に、後ろの様子を確認し、「席を倒してもよいか」と後ろの人に丁寧に尋ねよう。
■子どもが散らかしたら片付けて
客室乗務員はお手伝いさんではない。使える清掃用品はハンドソープ、ウェットティッシュ、芳香スプレーまでで、掃除機やほうきは使えないのだ。乗客が座席や身の回りをきれいにする義務はないが、マナーではある。さまざまな問題に波及していくからだ。
例えば、通路が散らかっていると、安全上の問題につながりかねないし、大がかりな清掃作業で次のフライトが遅延することさえある。先を見越して行動してほしい。小さなお子さんは、スナックの入った大きな袋をうまく扱えるだろうか? そうでないなら、事前にスナックを小さめの扱いやすい容器に入れておくとよい。