放置したままの「空き家」は巨大リスクの塊になる 損害賠償責任を負わないため法律を把握しよう

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水道管やガス管の埋設状況も確認する。他人の敷地を通っている場合、協議が必要になる。水道管、ガス管の移設工事を検討する。

空き家がマンションの場合、マンション管理規約を確認する。マンションの利用に当たりどのような取り決めがなされているか、管理費、修繕積立金などの負担はいくらか、滞納がないか、管理会社の連絡先や担当者名なども確認しておきたい。

こうした策を講じた後、最終的に空き家をどうするか決める。

子供や親戚の中に、「空き家が欲しい、空き家を使いたい」という人がいるか確認する。そのような人がいる場合は、いくらで売却するか、いくらで貸すか、あるいは無償使用(使用貸借)を認めるかを確定する(売買契約書、賃貸借契約書、使用貸借契約書を作成するとよい)。「2年後から使いたい」などの要望がある場合、2年間、定期借家として第三者に貸し出すことなども検討する。

子供や親戚の中に、「空き家が欲しい、空き家を使いたい」という人がいない場合、当面の間、空き家を管理する人を決めておく。そのうえで、空き家を賃貸に出すか、それとも売却するか、最終的な利用方法を決めていく。

定期借家にするか普通借家にするか

賃貸の場合、不要物を捨て、必要な物はすべて搬出し、保管する(保管場所も決める)。そのうえで、クリーニングすればよいのか、内装工事が必要なのか、賃貸業者とも相談をしながら決める。

賃貸の場合は、定期借家にするか、普通借家にするかを検討する。定期借家は、期間満了で賃借人に退去してもらうことができるが、普通借家の場合、高額な立ち退き料が必要になることもある。

空き家のある土地を売却する場合、不動産業者と相談のうえ、空き家を解体せずに古家付きで売却するか、それとも解体し更地として売却するかを検討する。空き家がさほど古くなく、まだ利用できる場合は、古家付きで売却するのも一案だが、空き家が古くそのままでは利用できない場合、解体し、更地にして売却するのが一般的だ(そのほうが買い手がつきやすく、売却金額も高額になる)。

空き家の解体は、土地の利用方法が確定した後に行うほうがよい。更地にしてしまうと固定資産税が高額になり、再建築不可の土地であれば売却自体が著しく困難になってしまうからである。

空き家の利用方法が確定したら、必ず契約書を作成しよう。賃貸借契約書、売買契約書を作ることで、後日のトラブルを未然に防ぐことができる。

綱藤 明 ひかり総合法律事務所 弁護士
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