分別でも「プラごみ」の多くは焼却されている現実 「プラマーク」意外にも注意して見たい"表示"

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では、プラスチックのリサイクルはいったいどのように行われているのだろうか?

長年の技術開発により、さまざまな廃プラスチック(廃プラ)のリサイクル手法が実用化されている。これらを大きく分けると①マテリアルリサイクル、②ケミカルリサイクル、③サーマルリサイクルの3つに分類できる。

① マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルは、廃プラをそのまま原料にして新しい製品を作る技術である。破砕・洗浄・乾燥させてフレークにし、それを溶かして粒状のペレットにして、さらに溶かして樹脂材料として再生される。

この樹脂材料の品質基準を満たすには、異物や汚れを取り除くのはもちろん、同一種類のプラスチックを原料としなければならない。よって、排出者には品目毎に分けて排出してもらう必要がある。

この技術は1970年代に誕生し、現在では国内に数百社のメーカーがその技術を利用したビジネスを展開している。なお、マテリアルリサイクルされるのは、主に産業系の廃プラである。理由は、製品の製造過程で生じる端材、規格外品、流通過程で生じる梱包材は樹脂の種類が明確であり、汚れや異物が少なく纏まった量が排出されるためだ。

マテリアルリサイクルされた製品(写真:プラスチック循環利用協会「プラスチックリサイクルの基礎知識」)

プラスチックの多くは焼却処分されている

② ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルは、廃プラを化学的に分解し、製品の原料に変えて再利用するものだ。これにはいくつかの方法があり、原料に戻して再利用する手法、製鉄所でコークスの代わりに還元剤として利用する手法、ガスにして化学工業の原料にする手法などがある。ただし、大型の設備を整備する必要がある。それらの設備は既存の製鉄や石油化学コンビナートに隣接させるため、輸送コストが高くなるなど、経済的な側面が課題だ。

③ サーマルリサイクル

サーマルリサイクルは、焼却時に生じる「熱エネルギー」を回収し、それを再利用することで「リサイクルした」と“みなす方法”。清掃工場で行われている発電や、近隣の温水プールへの熱供給などが該当する。

プラスチック循環利用協会の調査によれば、2020年の廃プラ総排出量822万tのうち有効利用されるプラスチックは710万tであり、その内訳としては、マテリアルリサイクルが173万t(21%)、ケミカルリサイクルは27万t(3%)、サーマルリサイクルが509万t(62%)と、圧倒的にプラスチックは焼却処分されている。

サーマルリサイクルではプラスチックの焼却時にCO2が排出されるので、わが国が2050年までの実現を宣言する「カーボンニュートラル」のために、また資源循環のためにも、マテリアルリサイクルの割合を高めていく必要がある。

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