分別でも「プラごみ」の多くは焼却されている現実 「プラマーク」意外にも注意して見たい"表示"

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李社長は、廃材等を1kgからでも買い取るという小回りを利かせた手法で、環境負荷の軽減のためにも廃材や端材等をリサイクルルートに乗せてきた。とりわけポリ塩化ビニル(PVC)では、2021年平均月間輸出量は約1000tと業界ではトップクラスを誇り、インドやアフリカに届けられたPVC材はインフラ用の排水パイプとして生まれ変わっている。

プラスチックのリサイクルの推進に向けて

産業系の廃プラをリサイクルしているEBC社の取り組みから得られる示唆としては、「分別して排出すれば資源にできる」という点である。プラ新法の施行により、家庭系の「製品プラ」の回収が地方自治体の努力義務となり、技術的・経済的な制約をクリアできた自治体は資源収集を推進していくようになった。

この状況のなかで私たちができることは、単純だが、自治体がプラスチックの資源収集を行っていれば、廃プラをしっかりと分別して資源として排出していくことである。意識して分別していくことにより、マテリアルリサイクルの流れがより堅固になっていく。

近年、海洋プラスチックやマイクロプラスチックの問題が取り上げられ、プラスチック自体が悪いイメージで捉えられているように思える。

しかし、廃プラは確実にリサイクルできる体制が整っているため、プラスチックの利便性を享受した後は、しっかりと分別して排出していくことを心掛ければ良いと筆者は考えている。そうすれば、石油などの限りある天然資源の消費を抑制し、環境負荷を抑え、さらなる資源循環が進んでいくだろう。

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藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部准教授

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ふじい せいいちろう / Seiichiro Fujii

1970年生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。同志社大学総合政策科学研究科嘱託講師、大東文化大学法学部准教授などを経て現職。専門は地方自治、行政学、行政苦情救済。

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