「キャリアアップを気にする新人」に伝えたいこと 転職よりもまずは「優秀な2年生」を目指そう

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「売り上げ1億円を達成しました」というのは素晴らしい実績ですが、今年の話です。来年は関係ありません。対して「売り上げ1億円を達成する方法を身に付けました」というのは、来年以降も使えます。四半期ごと、あるいは毎月、場合によっては毎週の振り返りで、「今回は、何を達成したか」に加えて「今回は、何ができるようになったか。何を学んだか」を、明確にしてみましょう。

これが有効なのは、1年目の間だけではありません。私も頻度は落ちましたが、今でも「今年は何ができたか」だけでなく、「今年は何をできるようになったか」を振り返り、成長を確認するようにしています。

〝鉄の経験胃袋〞は、長期的な成長に不可欠

さて、ついでに2年目について。無事に優秀な2年目になったら、「5年後、あるいは10年後にどのようなプロフェッショナルになりたいか」考えてみましょう。そして、そのために身に付けるべきスキルや獲得すべき経験をリストアップします。分からなければ上司やメンターの助けも借りましょう。

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どのような経験を通して、どういったスキルを身に付けるべきかが分かったら、自分が担当するプロジェクトやタスクのリストと比べます。1つのプロジェクトから複数の学びがあるかもしれませんし、雑用に見えたタスクから思わぬラーニングを得る可能性に気付けることもあります。

雑巾仕事からでも経験値を吸収できるような〝鉄の経験胃袋〞は、長期的な成長に不可欠です。ろくでもないプロジェクトが存在しない会社にはお目にかかったことがありません。個人的にも、多くの雑巾仕事を担当しました。でも、丈夫な経験胃袋を鍛えておけば、そうした経験をも糧にして成長することができます。

加えて、このプロセスを踏むことで、自分の目的を達成するために、会社の仕事をすることができます。自分のために会社の仕事をすることができれば、両者にとって建設的です。これも、2年目だけでなくずっと続けることで、キャリアの中で達成できることが増えると思います。

音部 大輔 マーケター/クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役

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おとべ だいすけ / Daisuke Otobe

日本と米国のP&Gで17年間ブランドマネジメントやイノベーション方法の確立などに従事した後、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、日産自動車、資生堂など複数のブランドを擁する企業でブランドマネジメント組織を指揮・構築。組織強化を通したブランドの成長を実現。2018年1月より現職。博士(経営学 神戸大学)。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)、日本マーケティング学会「日本マーケティング本 大賞2022」を受賞した『The Art of Marketing マーケティングの技法 - パーセプションフロー・モデル全解説』(宣伝会議)などがある。

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