「キャリアアップを気にする新人」に伝えたいこと 転職よりもまずは「優秀な2年生」を目指そう

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いずれ(5年後か、10年後か)自分はどうなりたいか、何が起きたらうれしいか、何を残せたら満足できそうか、あるいは何をすれば世の役に立てそうか、といったことを考えてみるのはヒントになるでしょう。自分はどうなりたいのか分からないときは、中学生の頃に好きだったことを思い出してみるのも手です。

なぜ子供の頃の「好きだったこと」が大切か

戦略を策定する際に「目的」から考えるのは正統で定石です。しかし、戦略を構成するもう1つの要素である「資源」から考えてみることが有効な場合もあります。特に運用できる資源の総量が小さめの個人やスタートアップなどでは、手持ちの資源から考えるのは有効です。数年前から学術の世界で議論されるようになった「エフェクチュエーション」という考え方は、資源に立脚した起業論であると解釈すると、理解しやすいかもしれません。

さて、資源とはすなわち、自分が持っているスキル、能力、ネットワークなど「自分のこと」です。中でも生来の気質は、長期的には大きな影響をもたらすことでしょう。好き嫌いにはいつも明確な理由があるわけではなさそうですが、動機づけや能力の発揮に大きく影響するように見えます。

サッカー選手のほとんどは、サッカーが大好きだろうと想像します。棋士のほとんども、将棋が大好きではないでしょうか。音楽家も、小説家も、俳優も、それぞれに自分の専門分野を大好きなのだと思います。

自分が大好きだったことに、「生来の強み」や「向いていること」が潜んでいても不思議ではありません。持って生まれた能力を発揮するのは、きっと、直感的・本能的に楽しく、好きになることなのだろうと考えます。

いろいろ考えてみたけれど、自分の特性や強みがよく分からないし、特に好きなものも思いつかないし、将来的にどうしたいのかも分からない、という場合に備えて、私が若い頃に知った暫定的な考え方を示しておきます。

それは「キャリアに迷ったら長期的に給料を高くすることを意識してみよ」というものです。先輩に教えてもらったか、何かに書いてあったのか、出所を忘れてしまったこの一文はとても利己的に聞こえますが、実は社会貢献を第一義にしています。

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