「キャリアアップを気にする新人」に伝えたいこと 転職よりもまずは「優秀な2年生」を目指そう
優秀であるというのは、単位時間当たりの経験値獲得量で示されると思います。逆に言えば、優秀になるためには単位時間当たりの獲得経験値を高めればいいのです。その獲得経験値量に影響を与えそうな変数は、勤める会社、所属する業界、担当する製品やサービス、一緒に働く社内外のパートナー、そして対象となる消費者。それら多くの変数の中にプロフェッショナルとしての自分自身があります。周囲の変数が変わることによって新しい視点を獲得し、成長につながることもありそうです。
同時に、周囲の変数を閾値より下に抑えることで、むしろ自身のラーニング効率を高めやすいこともあります。同じ環境であるからこそ、身に付けられる技術もあるでしょう。
自身の「ラーニング効率」という視点で眺めてみる
転職すると、新しい組織や業界、仕事内容や人間関係に慣れるために相応の時間や労力を要します。新しいルールやプロセスを覚えるなど、新たに習得する必要があるからです。この期間は、少なくとも一時的には、ラーニング効率を下げてしまうかもしれません。この観点で見れば、ある程度の基礎を確立するまでは環境変化は少ないほうが、1年間で得られるラーニングは大きそうです。
もし目指すべき自身の未来像に対して、年間当たりのラーニングの減少を感じつつも、自助努力では解決しにくいと結論付けた場合、新しい環境に挑戦するのも選択肢となるでしょう。プロセスやルールを覚えるといった初期投資が必要になりますが、その後は高い経験値を効率よく獲得できるかもしれません。一概に転職がいいとも、悪いとも言えないのが難しいところです。
徹底的にピアノを習得した音楽家と、いろんな楽器を習った音楽家。ずっと野球をやり続けたアスリートと、いろいろな競技をプレイしてきたアスリート。自身がプロフェッショナルとして目指す姿はどちらでしょう。何かをマスターすることで、別のことをマスターしやすくなる、という側面もあります。同時に、ある程度の労力を投入しないと、得られないスキルもあります。向き不向きもあるかもしれません。向いていることのほうが、腕を上げやすいようにも思います。
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