カマル・ラヴィカント(ナヴァル・ラヴィカントの兄)と朝食をとったときのことを覚えている。
友人の家のキッチンに立って、卵をひっくり返しながら、鮭の切り身とコーヒーの朝食を用意して、2人で夢や恐れ、義務や人生について、じっくり話し合った。
このとき、投資はすっかり僕の収入の大部分を占めていて、アイデンティティと言ってもいいくらいだった。
次の大きな動きに備えて選択肢をリストアップしながら、僕は彼にこんなことを聞いてみた。
カマルからのアドバイス
資本金を増やして、フルタイムのVC(ベンチャーキャピタリスト)になるべきだろうか、と。
すでに仕事はしていて、他に抱えている5~10件のプロジェクトとのバランスを取ろうとしていたところだった。
彼は僕の不安を感じ取ってくれた。今ならはっきりと言える。VCは僕の本当の夢ではなかった。
単に、鉄を熱いうちに打たない(絶好のチャンスを見逃す)なんてバカだ、と感じているだけだったんだ。
彼は黙って、ものすごく真剣に考えた後で、こう切り出した。
「君が紹介したダイエットで、45kg以上もの減量に成功した人たちが、感動のあまり泣きながら君のところにやってくるのを、イベントのときに見ていたよ。
君がVCになったところで、誰かにそこまでの影響を与えることはないだろうね。君がやめても、すぐに他のVCを見つければいいんだから。
あの世界では、君は簡単に他の人に取って代わられる存在でしかないんだ」
彼は、ここでひと呼吸おいて、こんな言葉で締めくくってくれた。
「頼むから、書くことをやめないでほしい」
それ以来、毎日、そのときのことを思い出す。
まるで神の思し召しであるかのように、VCの世界に足を踏み入れる人たちがいる。
そう、彼らは、バスケット界のマイケル・ジョーダンのように、その世界でMVPを取れる人たちだ。彼らはその才能を存分に発揮するべきだと思う。
だけど、僕が投資をやめたところでそれを惜しむ人はいないだろう。
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