「原子力の技術と人材を維持することが重要」 どうする電源構成<2> 21世紀政策研・竹内氏

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――ドイツが2022年までに原発ゼロを目指していることをどう見ていますか。

ドイツが欧州の中の一国であるという点に尽きる。(陸続きの外国からの)電力融通がしやすいという事情と、褐炭の埋蔵量が世界第一位という背景がある。資源があり、送電線が外国とつながっていれば、どんなエネルギー政策でも採れる。日本とはまったく条件が違う。「なぜ、原発ゼロ政策を採ったか」といえば、もともとのエコロジー的な考え方や、チェルノブイリ原発事故の経験で原子力に否定的な考え方がドイツ国民に根強いからだろう。

――再エネ比率25%というのは、経団連が提言する15%より高いですが。

再エネを増やすべきだと思うが、原発と同じで25%達成は現実的に難しいだろう。25%の再エネを日本でうまくコントロールできるか、コスト増に対応できるかという制約が大きい。

新技術や省エネに過剰な期待

――近年、石炭火力発電所の新設計画がラッシュの状況にあり、環境面から懸念が高まっています。

石炭火力の増加は温暖化の観点から心地よいものではない。ただ、原子力が止まっているときに石炭火力にも規制をかけると、エネルギーを安価で安定的に供給するという使命が果たせなくなる。代替手段がない以上、背に腹は代えられない。

――コージェネ(熱電併給)やエネルギー効率化技術の効果をどう見ますか。

新技術や省エネに対する期待で逃げる議論が多い。分母(電力総需要)を小さく見積もろうとする動きに見える。原子力の技術維持など大きな問題に触れたくないがゆえに、コージェネや新技術への期待に逃げているように感じる。

――温室効果ガス削減の約束草案についての提言は。

原子力の再稼働状況にもよるが、日本国内では2013年比で15~20%削減がギリギリではないか。国内のCO2削減にこだわるべきではなく、省エネ技術により地球規模で削減するJCM(2国間クレジット)的な考え方を充実すべきだ。温室効果ガス排出量でいえば、日本は世界全体の3%足らずであり、マージナルな存在。むしろ、(2国で世界全体の4割近くを占める)中国と米国がどう削減に取り組むかが重要で、日本はその橋渡しとしての貢献を考えたほうがいい。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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