再生エネルギー比率30%が実現できる理由

どうする電源構成<1> 東京理科大・橘川教授

日本は再生エネルギー比率をどの程度まで引き上げるべきか、5月中に一定の方針が決定される(写真:Fuchsia/PIXTA)
2030年の望ましいエネルギーミックス(電源構成)をどうするか――。経済産業省が今年1月末から有識者委員会を通じて行っている議論がいよいよ大詰めを迎えようとしている。
電源構成は2010年度には火力61%、原子力29%、再生可能エネルギー10%(うち水力9%)だった。それが東日本大震災後の2013年度には火力88%、原子力1%、再エネ11%(同)となっている。最大の焦点は、”国策”とされる原子力と再エネのウエート。ドイツは2022年までの原発ゼロを掲げているが、日本はどうすべきなのか。
この方向付けはエネルギー産業の長期的な投資行動に直結するほか、発電所の安全面や電気料金などの経済面、二酸化炭素排出量などの環境面など、国民の生活にも深くかかわってくる。5月中に結論を出し、6月のサミットで宣言される電源構成目標のあり方について、専門家や業界関係者にシリーズで聞く。
第1回は、エネルギー政策論の専門家で、電源構成を議論する有識者委員会(総合資源エネルギー調査会 長期エネルギー需給見通し小委員会)の委員も務める橘川武郎・東京理科大学大学院教授に聞いた。

原発依存を下げるという公約と乖離

――有識者委員会の第5回会合で「この小委の議論を聞いていると、どうしても原発比率を上げたいという雰囲気を感じる」と発言しています。

経産省の事務局は「ベースロード電源比率で6割」、そして「一次エネルギーの自給率で2割」という2つの数字を望ましい目安として示している。ベースロード電源については、石炭、原子力、水力、地熱がそれに当たると経産省は定義し、LNG(液化天然ガス)火力は外した。これで6割とすると、原子力は最低でも20~25%ということになる。

一次エネルギーのうち電力は約4割なので、自給率に入れる原子力と再エネの合計で全電力の約5割。再エネは2割強しか入らないと言っているので、原発比率は25~30%ということになる。このように、経産省は非常に巧妙に原発比率を25%前後に持って行こうとしてきた。

しかし、これで本当に「できるだけ原子力依存度を低減する」という政府の公約に沿ったものといえるのか。事務局は、東京電力の東通原発1号機ですら、着工許可済みだとして「既設扱い(将来の稼働を想定)」にしている。あの部屋(小委)の雰囲気と世論とはかなりずれている気がする。

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