韓国人騒然「福島原発の処理水放出」で大揺れ 寿司屋は閑散、影響を巡って与野党も対立

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「5月からお客さんが目に見えて減りました。よその店では10席満席のところが2席しか埋まらないって頭を抱えています。汚染水の放出を巡っては野党やユーチューバーが科学的データを無視したまま、無駄に反対を煽っていることが影響している。うちに来るお客さんも『大丈夫だよねえ?』なんていう話をしてくる人もいて、丁寧に説明はしますけど、寿司が好きで来ているお客さんさえこうだから一般の人々は漠然と不安になりますよ。

水産関係は漁師だけではなくて、それを流通して、小売りして、その食材を料理として提供するわたしたち寿司屋もいる。知り合いの日本料理店では売り上げがダウンしたといっていて、『もう少し様子を見て、頑張ろう』と声をかけたのですが、そんな余裕すらないと深刻なところも出始めている」

「ヒラメの刺身好きの人への被害が憂慮される」

韓国沿岸漁業人中央連合会(1万5000人強の漁師が加入)は8日、処理水放出を巡り、メディアで根拠のない危険を煽ったとして徐鈞烈・ソウル大学原子核工学科名誉教授を告発している。

徐教授はメディアで、「トリチウムは重いので沈むが食物連鎖で浸透する可能性がある。そのため、海底深くに棲むヒラメなどは被爆するのでヒラメの刺身好きの人への被害が憂慮される」や「水深200メートルから500メートルの水は中国から台湾海峡を通じて済州島近海を通り、東海(日本の日本海)に流入するのに5〜7カ月かかる」と繰り返し主張していた。

韓国沿岸漁業人中央連合会は、「人々が神経をとがらせている時に検証もされていない発言を繰り返しているが、我々にとっては死活問題。これからテレビなどで話をするときは検証された資料をもとに話をしてほしい」と告発に踏み切ったとしている。実際に生鮮の価格は「1キログラム1万5000ウォン(約1500円)が半分以下の6000ウォン台(約600円)に下落している」という。

韓国の海洋水産部はこうした動きを受けて徐教授の分析へ反駁する資料を発表している。放出された処理水が韓国の沿岸に到達するのは海流により4〜5年かかり、トリチウムの濃度も韓国海域の平均より10万分の1の水準であること、そして、このシミュレーションは水深5000メートルの深海まで行っており、徐教授が言う200メートル〜500メートルも含めたことを強調している。

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