韓国人騒然「福島原発の処理水放出」で大揺れ 寿司屋は閑散、影響を巡って与野党も対立

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この問題を巡り、韓国では、与・野党が激しく対立している。与党は、「科学的データに基づいて判断する」とするが、野党は、尹錫悦大統領が訪日した際、処理水海洋放出について「韓国民へ理解を求めていく」と発言したことなどに反発。

この発言は共同通信が報じたもので、韓国政府は否定したが、「韓国だけでなく世界の人々に影響する問題」として最大野党「共に民主党」は、署名運動を展開し、5月20日には野党や環境団体などが主催したソウル中心部の光化門で行われた反対デモ「汚染水海洋投棄反対国民行動」へ李在明・党代表自ら参加し、「処理水放出はテロ」と表現し、気炎を揚げた。

日本のドラマ「THE DAYS」を巡ってもひと騒動

最近ではNetflixで世界ランキングトップ10入りした、2011年の福島第一原発事故を素材とした日本ドラマ「THE DAYS」でもひと騒動あった。野党側は韓国でまだ未放映な理由を、「政府の圧力」「金建希(尹錫悦大統領夫人)が放映させないように手を回した」とし、実際にそんなニュースが流れた。結局、これは、この6月に韓国からNetflixに移行した等級制度(年齢による観覧の可否を審議する)の業務上の遅延によるものだったことが判明し、フェイクニュースだったことが分かっている。

中道系紙記者が言う。

「野党にとっては、処理水の海洋放出が問題ではなく、目的は現政権の糾弾です。背景には来春に行われる総選挙がある。李在明党代表は3月末に土地開発を巡る特恵や背任などの嫌疑で在宅起訴され、裁判が進行中ですし、前々回の党代表選挙では金銭が飛び交ったという疑惑も浮上するなど悪材料が続いている。裁判の結果では野党が大きく揺らぎかねませんから、非難の矛先を現政権にむけたいのです」

韓国デモ
5月20日に行われた処理水海洋放出反対デモ(写真:筆者撮影)

ところが、野党のこうした動きが思わぬ外交問題にまで発展した。

李在明代表がケイ海明駐韓中国大使に招待された席で、ケイ海明駐韓中国大使は「一部ではアメリカが勝利し中国が敗北することへ賭けているというがこれは明らかに誤った判断であり、あとで必ずや後悔するだろう」と韓国政府の外交政策を批判したのだ。

しかもこれは野党のYoutubeチャンネルが生中継し、李代表としては尹錫悦政権の対中、対日政策を批判し、処理水放出反対で共闘しようと呼びかけることが目的だったとされたが、逆に中国に利用された格好となった。

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