独居の90歳親が「末期がん」、家族はどうすべき? 後悔のない選択をするために考えておきたい事

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最初にお話ししておきたいのは、「がんを発見できなかったか」という点ですが、毎週かかりつけの医院に通院していたとしても、がんを対象にした検査などを受けていない限り、がんの早期発見は難しいです。がん検診があるのはそのためで、体にがんがあるかどうかを調べる検査をしなければ、なかなかがんを見つけられません。

そして残念ながら、症状が出てから発見されたがんは、すでに進行している場合が多いのです。また、高齢の方の場合は、たとえ病気を早期に発見したとしても、治療によってかえって体調が悪くなると考えられるときは、手術や治療が難しい場合もありますし、「自分の状態が悪い」と知ることで大きく気落ちして、健康を害してしまう場合もあります。

現実を受け入れるのはつらいですが、ぜひ気持ちを切り替えて、よりよい時間を過ごすためにはという視点で考えてほしいと思います。

高齢者のがんの進行について

では、ご質問いただいた点についてお答えしていきましょう。

まず、①について。

高齢者の場合でも早期に見つかったがんであれば、進行は比較的ゆるやかな傾向にあるのですが、がんが進行した、つまりデイジーさんが医師から言われたような「末期がん」の状態であれば、やはり進行が速い可能性があります。

特にお父様は1年前から在宅酸素を使用しているので、肺の力が弱っていて、予備力が足りない状態だと思われます。そのため、がんによる影響を受けやすい状態にあり、急な容体の変化が起こる可能性が高いとも考えられます。

これは②にもつながってくる話ですが、がんの終末期は、急な状態の変化が起こりやすいものです。それは90歳というご高齢の方でも同じで、それまで普段どおりの生活を送れていたとしても、突然状態が変わって、思うように体を動かせなくなるのは、珍しいことではありません。

これは連載6回目の記事(家族ががん終末期、いつ介護休暇を取得すべきか)でも説明しているのですが、がんは、ぎりぎりまで体の機能を維持できるものの、機能が低下し始めてから亡くなるまでの期間は、残念ながらほかの病気と比べても短い傾向にあります。

③の余命についてですが、「末期がん」と説明を受けた時点で、余命はおおよそ半年程度が目安とされています。具体的な余命を知りたいと思うなら、単刀直入に担当した医師に聞いてみることをお勧めします。

仮に余命を半年とした場合、体を自由に動かすことができるのは、前半の約3カ月と思っておいたほうがいいでしょう。がん終末期に、体力が落ちて思うように動けなくなってから亡くなるまでの期間は、個人差はあるものの、数週間から2カ月程度といわれています。

そのため、急に動けなくなるときに備えて、早めに行動し始めることが大切になってきます。何かやりたいことがあったら、「もう少し体調がよくなってからにしよう」などと考えるのではなく、すぐにでも動いたほうがいいかもしれません。

ちなみに、余命を知りたいかどうかについては、患者さん本人や家族の考え方や価値観にもよりますが、私がいろんな患者さんを見てきて思うのは、残された時間がどれくらいなのかを知ると、過ごし方が変わってくるということです。

今後の経過がわからないと、本意でない選択をしたり、まだ大丈夫とチャンスを逃してしまう可能性があります。ですので、「今、どんな段階にいて、この先どうなるか」を知っておくことはとても大事です。

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