東洋経済『都市データパック』編集部が1993年から発表している「住みよさランキング」は、自治体ごとに“住みよさ”を表す各指標について偏差値を算出し、その平均値を総合評価として、順位付けを行っている。
「全国総合トップ200」「関東編トップ100」「近畿編トップ50」「中部編トップ100」に続いて、今回は「九州・沖縄編トップ50」を紹介する。
住みよさランキングの算出に用いた「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」の各視点や、算出基準となっている各指標の詳細は全国総合トップ200の記事で説明している。
より詳しい情報は『都市データパック』2023年版に掲載しているのでそちらも参考にしていただきたい。
熊本県の自治体が多くランクイン
1位は熊本県人吉市。安心度14位、利便度15位とバランスの良いまちだ。周囲が九州山地の山々に囲まれた盆地で、市域の7割以上を森林が占める。人吉温泉や球磨川下り、「SL人吉」などの観光資源があることで知られる。中心市街地や幹線道路沿いには、大型スーパー、ドラッグストア等が多数あり買い物利便度が良く、「小売販売額」や「大規模小売店店舗面積」の指標がどちらも全国35位前後。「飲食店数」は全国1位タイとなっている。
2位は熊本県合志市。熊本市のベッドタウンとして人口増加率が高く、年少人口比率は全国屈指の高さ。電子部品や半導体関連企業や研究機関が進出しており、近年は近隣自治体も含めて新工場の建設が進む。
人口の増加が著しく「転出入人口比率」は全国1位である。また、「0~4歳児数」「刑法犯認知件数」ともに全国1位であり、安心度15位、快適度8位という結果につながっている。
3位は大分県由布市。安心度以外のカテゴリは平均的だが、安心度は3位。安心度の高評価の理由としては、「人口当たり病床数」のほか、医師数も多く、医療体制が充実していること、また、「0~4歳児数」「こども医療費助成制度」も全国上位であることが挙げられる。基幹産業は観光業で、中でも全国的な知名度をもつ湯布院温泉は、温泉湧出量、源泉数ともに全国2位である。
九州・沖縄地区は全体として、安心度カテゴリが強い。安心度のカテゴリ別順位では、1位~24位までのほぼすべてをこの地区が独占している。詳細を見ると、「0~4歳児の数」「刑法犯の認知件数」の偏差値が高い傾向にある。
「九州・沖縄編」の50位までの顔ぶれを県別に見ると、熊本県、鹿児島県、沖縄県がトップ3。熊本県は14市中12市が入っている。また、鹿児島県で特徴的なのは、安心度カテゴリで全国1位の西之表市を有すること。
詳しくみると、「0~4歳児数」は全国1位タイ、人口当たり「交通事故件数」「こども医療費助成制度」は同10位以内。他の指標も上位100位に入っている。沖縄県といえば合計特殊出生率が高いことが知られているが、「0~4歳児数」 は、11市中8市が1位タイと圧倒的である。
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