京阪電気鉄道の「3000系」は2008年、大阪の中之島線開業に合わせて登場した。当初3000系は同線に直通する快速急行として運用されたが、活躍の場は淀屋橋駅発着に移り、特急や京阪間をノンストップで走る快速特急「洛楽」の出番が拡大。座席指定特別車両の「プレミアムカー」を連結するなど、京阪線を代表する車両の1つに成長した。
中之島線開業のシンボル
中之島線は中之島駅から、天満橋駅まで東西方向に走る3kmの路線。天満橋駅で大阪・京都の中心部を結ぶ京阪本線に接続する。途中の渡辺橋駅、大江橋駅、なにわ橋駅はすべて地下駅だ。3000系は「中之島線開業のシンボル」として2008年10月19日に営業運転を開始した。ただし、2023年6月時点では乗り入れていない。
8両編成が6本在籍する。特急車両として先輩格の、2階建て車両を連結する「8000系」は1989年に京都の三条―出町柳間を結ぶ鴨東線の開業と同時にデビューしている。2010年の京阪開業100周年を控え、同社は全車を3種類のカラーデザインに一新。8000系を赤色・黄色・金色帯の「エレガント・サルーン」、一般車両を緑色・白色の「シティ・コミューター」、新造車両である快速急行用の3000系は紺色・白色・銀色帯の「コンフォート・サルーン」とクラス分けした。
3000系登場時のパンフレットは「京阪沿線のブランドイメージである『文化・風情』と、新しく変わる京阪の『現代的感覚』とを融合させる『風流の今様』を、車両デザインの基本コンセプトとしました」と説明している。3000系の“顔”を特徴づける、標識灯の形状や3連ヘッドライトの並びは「ダイナミック・スラッシュ・ムーン」と呼ぶ円弧形に合わせたデザインだという。
京阪電車の「花鳥風月」として「車両を彩る副標やラッピング」の“花”、「京阪特急のシンボル」である鳩マークの“鳥”、「疾走する車両そのものの姿」の“風”、「新しい車両フェイス」を“月”と定義。「『花鳥風月』の『月(円弧)』を新たに取り入れ、エクステリアやインテリアにダイナミックに展開しています」と強調した。
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