京阪線の「要衝」枚方市駅、再開発でどう変わる? 2024年夏に高層複合施設開業、電鉄本社も移転
「マイカタちゃいます、ひらかたです。」――大阪府枚方市のホームページにはこんな文字が躍る。関西在住者には馴染みのある地名だが、全国的な知名度にはコンプレックスを抱いているらしく、同市では「枚方のことを『マイカタ』と読んでしまう人が全国にどれだけいるのか」を調査したことがあるという。
その結果はともかく、枚方は古くから京と天下の台所・大坂を結ぶ淀川舟運の中継港、街道の宿場町として発展した交通の要衝だった。市内を天野川が流れ「七夕伝説ゆかりのまち」でもある。現在、街の玄関口となるのが京阪電気鉄道の枚方市駅。駅前はいま大変貌を遂げようとしている。
現在は京阪本線の要衝
京阪本線は三条と淀屋橋という京都・大阪の中心部の両駅を結ぶ49.3kmの路線。叡山電鉄の始発駅である出町柳まで鴨川左岸の地下を通る鴨東線(2.3km)と一体で運用する。中間あたりに位置する枚方市駅は京阪本線の要衝といえる。
同駅には、京都の七条と大阪の京橋をノンストップで駆け抜ける快速特急「洛楽」を除く、特急から普通まですべての種別が停車。ホームは3面6線あり、難読駅名でもある私市(きさいち)を終点とする交野線の電車も発着する。1日の乗降人員は7万5026人(2021年11月9日時点)で、京阪線では京橋駅、淀屋橋駅に次いで多い。
市役所側の南口にはロータリーを囲むようにペデストリアンデッキが巡っており、駅と複合施設のサンプラザ1・3号館などの建物をつないでいる。旧近鉄百貨店枚方店があったサンプラザ2号館は2016年に蔦屋書店が入る近未来的な外観の「枚方T-SITE」に生まれ変わった。枚方市駅前は蔦屋書店の創業の地でもある。
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