京阪3000系「中之島線開業のシンボル」から大躍進 プレミアムカー連結、快速特急「洛楽」でも運用

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通勤電車らしい3ドア車で、ドア間は進行方向を向く1+2列の転換クロスシート、車端部は窓を背にしたロングシートの配置とした。車内にも手すりなどいたるところに月をイメージした円弧のデザインを用いた。車両間のドアは自動で開閉する。集電装置は京阪線で初のシングルアームパンタグラフを採用。また、騒音振動対策として雨天時に車輪の空転や滑走を防ぐ増粘着材の噴射装置を先頭車両に取り付けた。

京阪3000系の車内
3000系の車内は1+2列の座席配置。8000系とは異なり中吊り広告がある(記者撮影)

同社車両部車両サービス課車両指令長の田辺尚久さんは「初めてデザイナーさんに依頼した車両で、3000系のデザイン画を見たときにはびっくりしましたね」と振り返る。「8000系と同様、クロスシートなのでメンテナンス作業をするときには器具をぶつけて傷をつけないように気を使う」という。

プレミアムカーを導入

2017年には、前面に洛楽での運用時に使用する装飾灯と、液晶ディスプレイを追加した。大阪の淀屋橋―天満橋間、京都の七条―出町柳間といった地下区間では装飾灯の光が浮かび上がって高級感を演出する。車両部技術課(電気設計担当)の西尾亮一さんは「まぶしくならないように工夫をしてある」と説明する。

車両課(管理担当)の係長、林淳一さんは「特急運用など時代のニーズに合わせて改造を加えてきた。3000系は京阪の赤・青・緑というブランドイメージを形成する大きな存在になっている」と話す。

さらに2021年、8000系で導入していた有料座席指定の「プレミアムカー」の車両が組み込まれた。特急停車駅だけでなく、3000系が運用を担う快速急行の停車駅でも利用できるようになった。8000系のプレミアムカーでは2ドアの従来車両の1ドアを改造で埋めたことで窓と座席の配置が一致しない場所がある。そのため3ドア車の3000系では新造(3850形)とした。座席数は従来と変わらないが、前後の座席の間隔を広げるなど随所に改良を施した。

編成の京都側から6両目に新造のプレミアムカーを組み入れた。余剰となった車両はしばらく車両基地で出番を待っていたが、2023年6月以降、改造工事を経て通勤車両の13000系に組み入れ、順次営業運転に復帰。置き換えられた13000系の車両は、新造する編成の中間車として運用する方針だ。

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