「年に3%のGDP成長率」が無理筋である納得理由 ひたすら経済成長を追い求めることの不合理性

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資本主義のもとでは、世界のGDPは毎年少なくとも2%から3%成長し続けなければならないと言われています(写真:tadamichi/PIXTA)
環境破壊、不平等、貧困……今、世界中で多くの人々が、資本主義が抱える問題に気づき始めている。
経済人類学者のジェイソン・ヒッケル氏によれば、資本主義は自然や身体をモノと見なして「外部化」し、搾取することで成立している、「ニーズを満たさないことを目的としたシステム」であるという。
そしてヒッケル氏は、「アニミズム対二元論」というユニークな視点で、資本主義の歴史とそれが内包する問題を白日の下にさらし、今後、私たちが目指すべき「成長に依存しない世界」を提示する。
今回、日本語版が4月に刊行された『資本主義の次に来る世界』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

資本主義はどのように機能するのか

『資本主義の次に来る世界』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

わたしたちは資本主義という言葉に敏感だ。資本主義については誰もが強い感情を抱いていて、好悪のどちらであれ、もっともな理由がある。

しかし資本主義をどう思っていたとしても、それがどのようなもので、どのように機能するかをはっきり見定めることが重要だ。

資本主義は「市場」や「取引」といったなじみのある平凡な言葉で説明されがちだが、その説明は正確ではない。

市場と取引は資本主義が始まる数千年前から存在し、それらに罪はない。資本主義が歴史上のほかの経済システムの大半と異なるのは、それが絶え間ない拡大、すなわち「成長」の要求を中心として組織されているからだ。

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