風邪薬と栄養ドリンクの「同時飲み」は危険! 薬剤師が教える、薬の怖い飲み方

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さて、アルコールは肝臓に悪いということは、みなさんもご存じのことだと思います。それはなぜでしょうか。

アルコールは、体に入ると、分解するために肝臓に集められます。肝臓のアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに変えられます。そしてアルデヒド分解酵素によって酢酸に変えられます。酢酸は全身のエネルギー回路の中に取り込まれ最終的に二酸化炭素と水に分解されて排泄されます。

しかしこのアセトアルデヒドという物質はたいへん不安定で、何かとくっついて安定した状態になろうとします。たんぱく質とくっついてたんぱく質を変性させ、脂質とくっついて脂質を変性させます。細胞というのはたんぱく質と脂質でできていますから、細胞を変性させてしまい、その結果、細胞の機能を失わせてしまうのです。つまり肝臓の細胞が機能しなくなるということです。

さて問題です。肝臓に悪いアルコールと、薬剤性肝障害の原因にもなりえる風邪薬を一緒に飲んだらどうなるでしょうか? 答えは「さらに肝臓が悪くなる!」です。

栄養は取らないといけないのですが、ドリンクという形状がよくないのです。

どうしても栄養剤で賄いたいなら、ビタミンドリンクの代わりに、錠剤のビタミン剤を、生薬ドリンクの代わりに錠剤やカプセルに入った生薬を飲むほうがいいのです。これも市販で売っているものです。

キーワードは「コンプライアンス」

用法用量を守って正しく薬を飲むことを、「服薬コンプライアンス」と言います。薬は「服薬コンプライアンス」があって初めて期待する効果が得られ、副作用を減らすことができるのです。

今、仕事をしていくうえで言われていることが、「企業コンプライアンス」なのではないでしょうか? 法律や内規等のルールに従って活動する。知らない方も多いかと思いますが、薬の添付文書というのは法律文書なのです。添付文書を見たことがないという人もいるでしょう。しかし、法律文書に書いてあることを守らないで健康被害が出たときは、国も製薬企業も保障しませんということでもあります。薬を飲むうえでも「コンプライアンス」の重要性が問われていると思います。

 

小谷 寿美子 薬剤師

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こたに すみこ

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。

明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。
市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。
入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。
市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

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