風邪薬と栄養ドリンクの「同時飲み」は危険! 薬剤師が教える、薬の怖い飲み方

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薬剤性肝障害になる患者さんのほどんどは、最初は軽い風邪で風邪薬を飲むのですが、そのときに飲みすぎたり、体質的な問題で薬剤性肝障害になる、ということが多いのです。

のどが痛い、鼻水が出る、せきが出るという症状が気になっていて、風邪だと思って薬を飲んでいるわけですから、まさか「肝臓が悲鳴を上げている」とは思わないことが大半です(肝臓をいたわろうと思うのはお酒を飲むときと、血液検査の前くらいなものですよね)。

だからこそ風邪がなかなか治らないなぁと思って風邪薬を使い続けているうちに、薬剤性肝障害の症状が進んでいることがあるのです。

風邪は大体の場合、5日もあれば治るものです。それで治らないのであれば、風邪ではありません。早く病院に行くのが基本です。

風邪薬と栄養ドリンクを一緒に飲むリスク

風邪薬と栄養ドリンクを一緒に飲むというのもあまりお勧めできません。「え? 思いっきりやっています」「風邪のときは栄養を取ったほうがいいでしょ。体力をつけたいのだから、栄養ドリンクでいいいじゃない」

という声も聞こえてきそうですが、これが要注意なのです。

確かに、風邪を引いているので栄養をつけなくてはいけないのですが、そこで必要なのは栄養ドリンクではありません。

栄養ドリンクというのは微量ながらアルコールが含まれています。「リポビタンD」に代表されるビタミンドリンクにも、「ユンケル黄帝液」に代表される生薬ドリンクにもアルコールが含まれています。「養命酒」は名前のとおりアルコールが含まれています。

「養命酒」などは風邪を引いたときに飲む方もいますよね。風邪薬を飲まないのであればこういった養生法を使ってかまいません。しかし、風邪薬を飲むのであれば同時には使わないほうがいいのです。

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