水揚げ半減!伊勢海老を脅かすウツボ激増の深刻 天敵と排除するのでなく、美味しく食するコツがある
殻の硬い大きなオトナの伊勢海老は自分の身を守ることができるものの、まだ稚魚と言うか子どもの伊勢海老が食べられてしまう。すると、自ずと大きな伊勢海老になる前に食べられてしまうことになる。
自然界の弱肉強食、自然の摂理といえばそれまでだが、頭では理解できても、伊勢海老が食べられなくなったりしたら悲しすぎる。伊勢海老で生計を立てている三重県志摩の人たちにとっては生活がかかっている。
今、この由々しき問題に正面から挑む人たちがいる。
ひとつは、東京で飲食店を多く展開するトランジットジェネラルオフィスとアーティストたちがコラボした「EAT to KNOW」プロジェクトだ。美味しく食べることによって環境問題を知り、次の世代に“食”のバトンを渡すことを目的としているという。
この春からは第1弾として渋谷の「チリンギートエスクリバ(XIRINGUITO Escriba)」が志摩のうつぼを使ったメニューを展開している。
「うつぼパエリア」と名付けるのかと思ったら、そこは「伊勢志摩海のパエリア」と上品なネーミング。ユーモアと言うか、示唆に富んでいるのが、メニュー写真にはいた蛸が、実際のパエリアにはいない。うつぼに食べ尽くされたので”いない”、という意味がそこには込められているのだという。
実は、うつぼには厄介な骨がある。鱧(はも)に似た感じの小骨と言われているが、鱧のような骨切りで済む代物ではなく、結構硬い骨。しかも上半身と下半身で違う構造で、身の中にもぐっている感じだ。
今回のパエリアを食べてみると、うつぼの小骨が口の中でチクっとした。
お店では、小骨が出たら1人分のソフトドリンクを無料にしてくれるサービスを提供し、そのチクっとをエンタメ化している。
大変な骨抜きを、若き職人が華麗に解決
ただできれば、そのチクっとはなく、穏やかに食べたいところ。そう思っていたところ、その問題を華麗に解決している“若き職人”が静岡県にいた。
伊東駅の近くにある「うつぼ」。ズバリ、うつぼを店名にした食事処だ。経営するのは、米田憲さん(32歳)。
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