年70万トン!廃棄物扱い「おから」の悩ましい実態 お金を生まず処分される「食品」を救えるか

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
大量のおからが産業廃棄物として扱われ、処分されています(写真:Nori / PIXTA)

「充分美味しいのに、これがほぼ無償で処分されているなんて…」

日本ではある”食品”が年70万トン、「廃棄物」として扱われている。いったい何のことかわかるだろうか。

その正体は、「おから」。おからとは、言わずと知れた、豆腐を作る時にできる豆乳を搾った「搾りかす」のこと。

その量たるや、使用した大豆(乾燥)の1.35倍にもなるという。これが年間で70万トン。

とてもじゃないが、僕らが一人ひとりで消費できる量ではない。そもそもおからは水分が多過ぎて腐りやすく、賞味期限は、2~3日程度。そのため現在は仕方なく、生産者はその多くを捨てざるを得ない状況だ。

おからの「食用」での利用はわずか1%

驚くことに、そうして出てきたおからの食用での利用率は、なんと1%(7000トン)程度。70万トンのほとんどは、豆腐屋から農業や牧畜業者などに無償で引き渡され、肥料にするか、飼料にするか、はたまた処分代を支払って廃棄するかになる(※1)

お豆腐屋さんがお金をもらえる、有償やり取りのケースはほとんどない。処分代が月10万円以上かかるケースも多いという。

おからが産業廃棄物だという話を聞いたのはもうだいぶ前の話だが、その時、妙に違和感を覚えたことを覚えている。

次ページ最高裁までもつれこんだ「おから裁判」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事