破綻のユニゾ、「スポンサー再選定」騒動の内幕 高値での身売りを模索、入札方式に懸念も
4月26日に民事再生法の適用を申請し、再建途上にあるユニゾホールディングスをめぐる思惑が交錯している。当初は投資ファンドの日本産業推進機構(NSSK)の支援を仰ぐ方向で基本合意を結んだが、ユニゾHDが再度スポンサー選定に着手したためだ。NSSKよりも好条件を提示した企業が現れたためとするが、土壇場でのスポンサー再選定が功を奏すかは見通せない。
「選定やり直しは聞いたことがない」
5月25日、ユニゾHDの債権者宛に1通のレターが届いた。「再度のスポンサー選定手続の実施並びにスケジュール等に関するご報告」。いわく、民事再生法の適用申請以降、複数の企業からスポンサー支援の申し出があったため、再度入札を行うという。レターを受け取ったある債権者は「スポンサー選定のやり直しは聞いたことがない」と困惑する。
異例の再選定はなぜ行われたのか。
「弁済額の極大化の可能性を追求すべきであると判断した」
6月5日、東京都内の貸会議室で開かれた社債権者向けの説明会でユニゾHDの代理人弁護士はこう述べた。NSSKよりも高い価格で資金援助が得られれば、債権者に対する弁済額も増えるという理屈だ。
再選定を求める声は、債権者からも上がっていた。5月9日に開かれた金融機関向けの債権者説明会では、ある債権者から「(スポンサーの)選定プロセスは、かなり迷走したのではないか」という指摘がなされた。こうした声に押されつつ、スポンサー選定は振り出しに戻った。
実際、ユニゾHDのスポンサー探しは一筋縄ではいかなかった。最初に動き出したのは今から1年以上前の2022年初頭。私的整理を前提に、ユニゾHDの資産や負債を丸ごと引き受けてくれる企業を探した。一部企業が関心を示したものの、保有するアメリカのオフィスビルが利上げによって流動性を失ったことが逆風となり、合意には至らなかった。
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