東京からもっとも近い被災地・浦安(6) 松崎秀樹市長--「痛みの分かち合い」で復興できる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
浦安市長・松崎秀樹--痛みの分かち合いにより浦安は必ず復興できる

東京湾岸の千葉県浦安市は、市域の4分の3を埋め立て地(中町地域、新町地域など)が占める。3月11日の東日本大震災では広範囲で液状化が発生。3万7023世帯で上下水道、ガスなどライフラインが断たれた。都市基盤施設の被災総額は約734億円に及ぶ。江戸川を挟んで東京都と接する同市は、まさに「東京から最も近い被災地」だ。

同市では震災発生直後からライフラインの復旧を進めてきた。最も時間がかかった下水道についても、東京都下水道局の大規模な応援を受け4月15日には復旧する見通しだ。

こうした中、松崎秀樹市長は、4月1日告示、10日開票の千葉県議選について、再三、期日延期を申し入れてきた。が、受け入れられず選挙期間に突入。一方で浦安市議選は17日告示、24日開票で予定どおり行うと表明するなど、異例の事態になっている。同市の被災実態と今後の対応について、松崎市長に聞いた。(※インタビューは4月上旬に行われました)

--東京湾岸の埋め立て地で、浦安市だけがなぜ、ここまで大きな液状化被害を受けたのでしょうか。

県内では香取市も液状化がひどかったが、水田が中心。一方、浦安市では16・98平方キロメートルの面積に16万5000人の市民が住んでおり、典型的な都市災害となった。

なぜ中町や新町の被災がこれほどひどかったのか、地震のメカニズムはまだよくわからない。というのは、埋め立て地ではない元町地域も旧江戸川の堆積土でできている。元町は関東有数の人口密集地でもあり、市としては震災時にはこの地域の家屋倒壊、火災発生を心配していた。「火事になれば元町に消防を集中させるので、中町、新町へは行けない。皆さんは自分たちで1週間頑張ってください」と、自主防災組織を作ってもらっていたほどだ。しかし今回、元町はまったく無傷。推測だが、震度が地域によってかなり違っていたのではないかと思う。

(中町の)舞浜3丁目にある京葉ガスの地震計は震度6弱を示していた。新町には震度5強にも耐えることができる100トン級の飲料貯水槽を3基設置していたが、そのうち2基が完全に壊れてしまった。局地的に想定を超えた揺れが来たようだ。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事