東京からもっとも近い被災地・浦安(6) 松崎秀樹市長--「痛みの分かち合い」で復興できる
──備えは十分に行ったが想定を超えていた、と。
今のところそうとしか言えない。ただ、甚大な被害があったものの、地震による死者もいなければ、ケガ人もほとんど出なかった。東北地方の壮絶な状況とはまったく違う。
──そうした中、県議選の選挙事務を拒否しました。
せめてライフラインの応急復旧まで待ってほしいと要請したが、総務相は千葉県を延期指定しなかった。法律では県単位で指定するよう定めており、浦安市の事情だけを考えられないのだろうが、これは法の不備。いま多くの市民が避難していて市内にいない。選挙を強行すれば憲法で認められた重要な参政権が侵害される。これが選挙をできない第1の理由。第2に、立候補者も、適正に自分の政策をアピールできる状況にない。第3に、行政側の問題。県から受託して選挙事務を行うわけだが、応急復旧さえままならない時期に人を割けない。余震のたびに道路陥没など新たな被害が生じており、投票所の安全性も確保できない。
──4月10日に選挙をやることはもはやない、と。
選挙期間は公職選挙法に定められている。それを勝手に短縮することはやるべきでない。私が恣意的に選挙を誘導したことになってしまう。
投票用紙を発送せず、投票所の整備もしていない中、県の選挙管理委員会は立候補者に選挙活動するよう言っている。本当にどうかしている。
──県議の任期は4月29日。県への代表は送らなければなりません。
応急復旧にメドが立つ15日以降ならばできる。そこであらためて再選挙を行うという手がある。
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