原発放射能汚染で価格暴落する農産物、それでも高い補償の壁

原発放射能汚染で価格暴落する農産物、それでも高い補償の壁

記事は週刊東洋経済2011年4月16日号執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

「出荷再開できても、茨城県産というだけで消費者は嫌がり、値段も下がるのでは」

茨城県小美玉市の酪農家、川崎正明さん(58)の不安は尽きない。川崎さんは3月23日以降、毎日7万2000円に相当する原乳800キロリットルを廃棄。茨城県産の原乳から暫定規制値以上の放射性物質が検出され、県全域で出荷停止となったためだ。

実際、東京電力の福島第一原子力発電所事故を受け、風評被害はとどまることを知らない。モニタリング開始以降、続々と暫定規制値を上回る農産物が公表されてきた。結果として消費者の不信感が高まり、安全性が確認された農産物でも、取引量減少や価格下落が起きた(下表)。

田畑を耕すことも自粛 生産計画に大ダメージ

長期的な影響も懸念される。農林水産省は3月25日に、暫定規制値を上回る放射性物質を含む野菜などの廃棄策を発表。該当する圃場(ほじょう)では放射性物質が地中に入り込むことを防止するため、耕すこと自体の自粛が求められた。該当する福島、茨城、栃木、群馬、千葉県では汚染拡大を防ぐため、稲の作付け延期なども農家に求めており、生産計画に大きな狂いが生じるおそれもある。

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