日本の「生ハム」がイタリア産と根本的に異なる訳 イタリア産輸入停止で見えた日本の生ハム事情

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生ハムができるまでは、豚肉は、ただの在庫になり、多く仕込めば仕込むほど「在庫が多い企業」とみなされ、現金が減り、借金も考えなくてはならず、優良企業とはみなされなくなってしまうこともありえるのです。

効率よく生産し、売り上げを得たい企業にとって2年の投資期間は、リスクがとても大きい。さらに、できあがるまで品質や生産個数の確定ができないのも、なかなか参入できない理由でもあります。

その点ラックスハムは、1、2週間で人気の生ハムが商品化できるので効率がよいため、イタリアから生ハムが輸入される前から日本ではずっと作り続けられているというわけ。

国産豚で作った国産生ハム

一方で、イタリア、スペインの生ハム製法を学び、独自の手法を提案しながら、国産の生ハム作りに取り組んでいる生産者がいます。2017年に、国産生ハムの生産者団体「一般社団法人国産生ハム協会」を設立し、豚もも肉と塩だけで作った国産生ハムの普及に尽力しているのが、野崎美江さん。

「廃校になった小学校を活用し、教室で熟成をしたり(おおわに自然村生ハム工房)、麹菌(草壁ハム製作所、ジャンボン・ド・ヒメキ)を使用したり、潮風を浴びながら熟成したり(シャルキュティエ田嶋)など、テロワール(地域色)を生かした豊かな味わいの生ハムを作っています」と、ヨーロッパの生ハムに負けないおいしさがあると力説! 

確かに、おおわにの生ハムは、生ハム用に豚も育ていて、味の濃いイベリコハムのような生ハム。草壁ハムは、小豆島のような温暖な気候の生ハムはどうか??と思いましたが、醤油麹の作用でまろやかな味わいの生ハムができあがっていました。まさしくテロワールの違いが生ハムに反映されていて面白い! 

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