日本の「生ハム」がイタリア産と根本的に異なる訳 イタリア産輸入停止で見えた日本の生ハム事情

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また、野崎さん曰く、「日本の生ハムは、ウイスキー、ワイン、チーズに続く、世界に認められるクオリティの高い食品になる」と。確かにその可能性は大いにあると思います。

生ハム
日本でも生ハムの生産が行われるようになっている(写真:筆者提供)

スペインやイタリアは生ハム大国なので、もも肉が最も高く取引されています。しかし、日本の豚肉市場は、ヒレ、ロース、肩ロース、バラ肉が主流です。もも肉は、こま肉や加工用に回されることが多く、スペインやイタリアでは価値が高い部位なのに、日本では価値が見出されていません。

「国産豚のもも肉を使って、しっかり熟成した原木生ハム(イタリアやスペインの製法の生ハム)作りが日本でも普及すれば、もも肉の価値が上がります。そうすれば、生ハムに適した豚を育てる養豚家も増えてくると思います」と野崎さんは訴えます。

安く取引されていた部位の価値が上がる

日本でも国産の生ハム作りが普及すれば、国産の生ハム作りが盛んになれば、安く取引されていた豚もも肉と腕肉(前足)が、価値のある部位として取引されるようになり、養豚家の収益アップにつながり、消費者は質の高い国産の生ハムを食べられるようになるのです。

いまだイタリアの生ハムの輸入解禁は見通せず、例えアフリカ豚熱清浄国になっても、すぐに生ハムはできないので、日本に届くのは早くても2~3年後。しばらくイタリア産生ハムは食べられないでしょう。

今、スペイン、アメリカ、オーストリア、フランスなどさまざまな国の生ハムが輸入されていますが、この機会に、日本にも素晴らしい国産生ハムがあることを知ってほしいと思います。そのクオリティの高さに驚きますよ!

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千葉 祐士 門崎熟成肉 格之進 代表

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ちば ますお / Masuo Chiba

1971年、岩手県一関市生まれ。1994年東北学院大学経済学部商学科卒業。1994年大倉工業入社、1999年より外食事業を展開し、五代格之進を開業。2004年丑舎格之進 川崎本店、2006年格之進TOKYO(練馬区桜台)開業。2008年10月に株式会社門崎を設立し、2010年格之進R(六本木)開業。2013年ミートレストラン格之進(一関)、焼肉のろし(岩手県陸前高田)、2014年肉屋格之進F(六本木アークヒルズサウスタワー)開業。2015年11月格之進Rt(代々木八幡)をオープン。現在は「門崎熟成肉」の牛肉販売、卸・食品加工、店舗運営、飲食店運営サポート事業、牛肉の啓蒙活動を行う。
 

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