ビースタイルは4月1日に新会社「Shift」を設立し、女性向けの転職サービスを始めた。コンセプトは「27歳からの10年後を見据えた転職」。
紹介するのは、女性がライフステージの変化に合わせて柔軟にキャリアを継続、発展できるような企業に特化。ダイバーシティ経営に対する経営陣のコミットメントがあったり、生産性を重視したワークスタイルが実践されていたり、能力や実績による評価体制ができているような企業に限っている。
また、合わせてShiftでは、女性向け、企業向けそれぞれへの研修事業も展開するという。
新会社設立にあたって、三原氏は女性のキャリアについて多くの定量調査、ヒアリング調査を重ねたという。その中で見えてきたのは、「アラサー女性は必ず自分の将来についてモヤモヤしている。そして、そのモヤモヤは大抵、知識がないことから生じている」ということだった。
キャリアの中断で2億4000万円の損失!
たとえば、「仕事がつらいから辞めたい」と悩んでいる女性は多い。「だが、結婚・出産を経ても安心して暮らし続けるためには、働き続けることが何よりもの“安心”であることを多くの女性は知らない」と三原氏は言う。日本人の給料の中央値はこの10年間で約100万円下がっている。つまり、今後ますます夫の稼ぎだけで家族の生計を成り立たせることは難しい時代になっていくだろう。しかも、結婚したカップルの3分の1が離婚に至っているという現状もある。
三原氏は続ける。「いったん離職して子育てが一段落ついた後に再就職した場合、年収300万円を超えるケースはわずか約1割でしかない。仮に年収300万円で戻ったとしても、正社員としてキャリアを継続した場合に比べて生涯年収は約2億4000万円少なくなる。キャリアを中断するというのはそういうことなんです」。また、「出産後は時短で働いて……」と考える女性も多い。だが、多くの日本企業は、出産後の女性を正社員として雇用し続けることはできても、時短勤務でキャリアアップさせるすべは持ち合わせていない。「安易な時短勤務には功罪があり、すべてのワーキングマザーに勧められる働き方ではない」(三原氏)。
実際のアラサー女性は、将来のキャリアについてどう考えているのだろうか。
「時短でも評価を上げられるように、今のうちから社内貯金は重要だよね」「時短で、パフォーマンスを上げられない人が次々と辞めていくのを見てきました。ああはなりたくないなあ」「短時間でも生産性を上げられるようにしたい」「今のうちに、どんどん手を挙げて実績を作っておかないといけないと思う」「今からマネジメント経験を積んでおきたい」「独立したほうが時間の融通は利くと思います」
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