「就活を親がサポート」過保護といえない切実事情 大学のキャリアセンターを頼れなくなっている

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最後に、見ていただきたいデータがあります。

実は、就活のスクールを経営している立場として、今、多くの親御さんが実践されている就活への関わり方に、少し疑問を感じずにはいられない部分もあるのです。

次の図を見てください。このグラフは、株式会社アイデムが発表した、学生の保護者から問い合わせがあった企業の割合です。なんと企業の55.8%が、採用活動の中で、学生の保護者から直接問い合わせや接触を受けているそうです。親御さんが直接企業の人事担当者に連絡を取る、というのは、一昔前には考えられなかったことではないでしょうか。

困った親の接触
(出所:『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法 改訂新版』、図版制作:一企画)

親が「手を出してはいけない領域」もある

さらに、その連絡内容を見てみましょう。もっとも多いのが「合否結果への問い合わせ」、ついで「説明会や選考会場への同行・送迎」となっています。「内定辞退の連絡」も4社に1社の割合で親御さんが入れているのだというから、驚きです。

いざ、自分の子どもの就活となったらかわいさと心配のあまり、ついつい手を出したくなってしまうのでしょう。しかし、就活はお子さんが独り立ちするための大切なステップです。企業の人事担当者も、学生が無事に自社で一人前として活躍できるかどうかを見ています。

子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法 改訂新版
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その大事な過程に親御さんが出てくるというのは、「わが子は『就活力』がありません」

と、喧伝するようなもの。3つの評価軸のうち1つを親御さんが代行してしまえば、企業が採用をためらう原因にこそなれ、お子さんにとってプラスに作用することはないはずです。

本稿でお伝えしたい「親御さんのサポート」は、このような過保護や過干渉ではありません。お子さんの影で、IQ、EQ、就活力を高められるように導くことです。

就職活動は、お子さんにとってはこれまでにない試練の一つです。しかし、それを乗り越えた先に、社会人としての未来が待っています。ぜひ親子で、素晴らしい未来を切り開いていってください。

竹内 健登 受験コンサルタント、ホワイトアカデミー高等部塾長

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たけうち けんと / Kento Takeuchi

東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から、企業の人材戦略の道へ。新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から「ホワイト企業」を研究。自社メディア「ホワイト企業への道」で掲載したところ、就活生や親御さんの間で話題となり、月間で35万PVを達成した。現在も、「ホワイト企業からの内定が1件も得られなければ、授業料全額返金」という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。元デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタント。

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