就活「学歴フィルター」諦める前に知ってほしい事 大切なのは「IQ」「EQ」「就活力」という3つの川

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さて、就活生の立場から先ほどの図を見ると、左の地点から右の企業にたどりつくことが「内定」です。このとき、就活生が企業にたどりつくまでに、IQ(知能指数/Intelligence Quotient)、EQ(心の知能指数/Emotional intelligence Quotient)、就活力という3つの川が流れています。

就活生はこれらの川(障害物)を越えていかなければなりませんが、その際の渡り方は3方向に分かれます。まっすぐ横に進むか、その能力を高く評価されて斜め上に進むか、低評価によって斜め下に進むかの3パターンです。

たとえばグループ③にいる学生が、IQ、EQ、就活力のすべてに高い評価を得られれば、EQの川を越えた時点でてっぺんに行きつきます。となれば、「一流ホワイト企業」から内定を得られるでしょう。あるいは、その下のランクの企業からは引く手あまたの売り手市場が実現する、というわけです。

この構造で就活をとらえれば、「就活は学歴からスタートするものの、大学のランクよりも3つ上までなら、努力と準備で補うことができる」ということがおわかりいただけるでしょう。このように3つのチャンスがある分、就活では大逆転がしばしば起こります。

「○○さんのところのお嬢さん、一流企業に入社したらしいわよ!」

「えー! すごい! そんなにいい大学に通ってたっけ?」

「それがね、大学名も聞いたんだけど、忘れちゃって……」

なんていうことも珍しくありません。当スクールのウェブサイトの卒業生インタビューにも逆転事例が数多く掲載されています。ぜひ、見てみてください。

就活で求められる3つの力――IQ、EQ、就活力とは?

就活は学歴から始まるものの、その後の努力と準備で補えるチャンスも大きい、ということがおわかりいただけたでしょうか。そのチャンスをものにするためにも、就活生が企業にたどりつくための3つの障害物(IQ、EQ、就活力)の概要を見ていきましょう。

まず1つめの川はIQで、「筋道だった思考ができるか」「論理的思考力があるか」などの指数です。一般に、理系の方や学歴が高めの方は、この能力が高いといわれています。

各企業は、ウェブなどでの試験によって、それぞれの学生のIQを測っています。あるいは、少し変わり種としては、総合商社や外資系コンサルティング会社に多い「ケース面接(面接ですぐに答えの出せない質問をして、学生の問題への取り組み方や仮説の立て方、論理的思考力を見る。フェルミ推定の応用問題が多い)」もまた、IQを問うものといえるでしょう。

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