ギリギリを生き延びる漫画喫茶「ガリレオ」の秘密 三軒茶屋付近で唯一、なぜコロナでも存続できたか
ガリレオは、最近まで価格改定を一切せずに運営してきた。消費税増税後も、消費税分を店舗が負担。「価格を据え置いたことで安さが売りの店になってしまい、うかつに値上げもできない状況でした」(三田さん)
元凶は、なんと1998年のオープン当初から使っていた単機能のレジ。店舗側では価格の設定変更もできず、メーカーに問い合わせるも、廃盤商品のためサポート期間が終了していた。クレジットカード対応はおろか、QRコード決済も何もできない。最近、三田さんが一念発起してレジを買い替えたことにより、レジオペレーションがやっと改善したのだという。
「レジの導入費用は約70万円。ガリレオの月の売り上げは100万から150万円で、そのうち家賃と光熱費が高い時で約100万円なので、かなり厳しい出費でした。追い詰められたけど、コロナ禍では『現金のやりとりをするなんて』という空気もあり、買い替えを決意しました」(三田さん)
「もうダメかも」というとき、常連客に救われた
レジ金管理の手間は減ったものの、電子マネーは決済手数料が数%かかり、その負担は大きい。都の条例で全面禁煙化があったときも、3割のお客さんがいなくなった。そこにやってきたコロナ禍には、三田さんも「もうダメかもしれない」とめげそうになったという。
飲食店と違い、ガリレオにはコロナによる給付金なども支給されず、ジリジリと赤字が増えていく日々。折れそうになった三田さんとガリレオを救ったのは、この店を愛し、長年通ってくれる常連客たちだった。
「ガリレオは物販店ではないから、クラウドファンディングをするにも、リターンとして自信を持って差し出せるものがないんです。割引券を配ると、後の売上が厳しくなる。半ば諦めていた頃、お客さんからたくさんの投げ銭(現金の寄付)があって。税理士さんに確認したうえで、ありがたく売上計上させてもらうことにしました」(三田さん)
2020年以前は1日100人程度だった来客数がコロナ禍で半分以下になったが、じっと耐えた。今は1日約70人まで盛り返しているのだそうだ。
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