ギリギリを生き延びる漫画喫茶「ガリレオ」の秘密 三軒茶屋付近で唯一、なぜコロナでも存続できたか
「店が閉店すると聞いた時、大量の漫画が捨てられて、常連さんの居場所がなくなってしまうのがあまりにもつらかったんです。この店が明らかに儲かっていないのはバイトでも気がついていたけれど、まだ何も手を打っていないうちになくなってしまうのは嫌でした。
そこで、半ば勢いで『私が引き継ぎます!』と宣言したんです。当時の経営陣に改善策をまとめた提案資料を持って説明し、居抜きで譲渡してもらいました。会社員経験はありましたが、経営については何もわからない状況でした。商工会の方にいろいろ教えてもらったり、本を読んだりしてどうにかここまで続けています」(三田さん)
努力と根性で「赤字と黒字を行ったり来たり」までに
三軒茶屋の駅近という好立地にもかかわらず、来店者数が少なくて赤字を垂れ流していたガリレオだが、三田さんの経営努力により、「赤字と黒字を行ったり来たり」するくらいには改善したという。
「経費として大きいのが、家賃と電気代です。そして月150〜200冊の漫画を入荷するため、書籍代もかさみます。アルバイトスタッフも数人いますが、できるだけ私が店に立って、人件費をおさえています」(三田さん)
三田さんは創業当初、役員報酬(つまり三田さんの給与)をゼロにしながら耐えたそうだ。ガリレオの平日の売上は約3万円。三田さんが店舗に出勤できない日も、スタッフ数は最小限で回している。
「ワンオペの日も多く、私が倒れたらどうしようと考えることもあります。ここまで大きな病気もせず元気に生きてきましたが、アラフィフにさしかかり、いよいよ健康リスクも高まってきました。無理はしたくないのですが、無理をしないと経営が続かない状況です。私が倒れるのが先か、ガリレオの閉店が先か……と考えることもあります」(三田さん)
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