できる人が「難しい仕事」から取りかかる納得の訳 難しさの判断は「工程をイメージできるか否か」

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最初に具体的な工程がイメージができていれば、2工程で済むようなことでも、この作業をパスしてしまうと、わざわざ遠回りして5工程くらいやることもあります。それが、仕事が遅くなる一番の原因となるのです。

ロケットスタートを切ることが、必ずしも最速ゴールの決め手ではないことを、きちんと理解しておく必要があります。大事なのは、動き出す前の段階で情報や状況をチェックして、どうすれば最短のルートを通り、誰よりも早くゴールインできるかを考えることです。

具体例を1つ紹介しましょう。例えば、たくさんの仕事を抱えている場合、あなたはどこから手をつけますか? 簡単そうなものから始めますか? 時間がかかって難しそうなものからやりますか? 多くの人が、「簡単そうなもの」からやり始めているように思います。

その背景には、大きく2つの理由が考えられます。1つは、「目の前にたくさんの仕事があるのだから、1つだけでも早く片付けておきたい」という切迫した心理が働くこと。

もう1つは、難しそうなものから、「できるだけ逃げたい」という気持ちが芽生えて、面倒そうなものを後回しにしているのです。

仕事を短くやるためには、難しそうに感じるものから先に始めたほうが、トータルで早く仕事が片付きます。

難しそうと感じる原因は、これまでに経験したことがないケースがほとんどですから、ゴールまでの所要時間が計算できないため、後回しにしてしまうと、結果的に期日に間に合わないという事態が発生します。

難しいと感じるものほど、時間をかけて取り組む必要がありますから、最優先でやっておけば、その時間を十分に作り出すことができるのです。

「時間がかかる」ものから始める

仕事の難しさを判断する際は、自分の経験の有無だけを基準にするのではなく、その仕事の進め方や方向性をイメージして、具体的な「ストーリー」(展開)を頭の中で描けるかどうかで考えることが大切です。

まったくストーリーが浮かばない案件であれば、必要な情報やデータが確実に不足していますから、それらを先に収集する必要があり、「これは時間がかかるな」と想定できます。時間がかかると感じたものから、先に始めればいいのです。

これまでに経験したことがない案件でも、自分でストーリーが明確に想像できるようであれば、優先順位を下げても、あまり時間をかけずに仕事を仕上げることはできるはずです。

大事なことは、抱えている仕事のすべてを無事にゴールさせる点にありますから、最初に難しい案件で時間を取られても、不安になる必要はありません。

「難しそうなもの」→「簡単そうなもの」の順番で取り組んでいけば、取りこぼすことなくすべての仕事を終えることができます。

もう1つ、動き出す前に考えることが大事な例を紹介します。例えば、取引先の担当者から、「納期はこの日までということで、いかがですか?」と仕事の締め切りを設定されるのは日常的によくあることです。

「その日程では、相当に厳しいな」と思っても、お得意様の申し出とあれば、「承知しました。何とかいたします」と受け入れることも多いと思います。

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