「持ち家vs賃貸」結局どっち?"利回り"で見る結論 現在のマンション相場と家賃からシミュレーション

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持ち家と賃貸、はたしてどちらがよいのでしょうか(写真:タカス/PIXTA)

自分が今住んでいる賃貸住宅を買うとするならばいくらになるか、考えたことがあるだろうか。

例えば、ワンルームマンションに住んでいるとしよう。都区部はマンション条例という建築規制があるので、通常25㎡以上になる。家賃は計算しやすいように10万円とする。その住んでいるマンションを買い取る金額は家賃の25~30年分になる。それを月数にすると、300~360カ月なので、これを家賃にかけてみる。3000万~3600万円で買えることになる。

独身でなく、2人以上で住んでいるなら、50㎡以上で、家賃20万円とすると、上記の2倍になる。これを購入すると6000万~7200万円となる。

金利総額を上回る「住宅ローン控除」の恩恵

では、これを購入した際の月の返済額はいくらになるか。今の住宅ローン金利は0.4%ほどなので、18.4万円となり、家賃より安くなる。なぜなら、家賃の30年分で買えるのに、住宅ローンは35年で返済するからだ。

金利がある分、総支払額は7717万円で、金利総額は517万円となるが、住宅ローンを借りる人はほぼ全員が住宅ローン控除という減税策を適用されている。これは借入額の0.7%が還付される仕組みなので、7200万円×0.7%の50.4万円が13年間もらえる。なので、655.2万円の収入が生まれる。

1人当たりの上限は5000万円だが、夫婦共働きであれば合計1億円まで可能だ。この655.2万円は金利総額の517万円を上回っているので、収支は138.2万円のプラスとなる。これは「マイナス金利」ということで、通常お金を借りると金利を支払うところを、借りた額が増える分だけお金がもらえることを意味している。そのくらい、国策として「持ち家を取得したほうが得ですよ」と促しているわけだ。

この結果として、日本全国の85歳以上の持家率は85.2%で、都区部でも75.4%にも及ぶ。

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