首都圏の新築・中古マンション価格は2013年比で7割以上値上がりした。これはアベノミクスの金融緩和の影響が大きい。分譲戸建て価格もコロナ禍の特需発生などで在庫が急減し、2割近く上昇した。
持ち家価格が高騰すると、持ち家比率が落ちる。単純に買える人が少なくなるからだ。そうなると賃貸住まいの夫婦やファミリー世帯が増えることになる。しかし、買い損ねた人が賃貸に甘んじていい状況ではなくなっている。ファミリー向けの家賃も2013年以降高騰してきたが、これから異次元の高騰を見せる可能性が高くなっているからだ。
新築マンション価格が1割上昇すると供給は1割減る
新築マンションの価格が1割上昇すると、買える人が少なくなるので供給戸数は1割減少する関係にある。首都圏の平均分譲価格×供給戸数=総販売額はこの10年間、おおよそ2兆円で安定していたことがその証明である。
価格の高騰は持ち家層を減らし、賃貸層を増やす結果になる。値上がり開始当初に買っていれば、資産は大きく膨らみ、売却すれば資産が増えている人ばかりだ。
例えば、2013年に6000万円で購入した新築マンションは今では1億円になっていたりする。売却すればこの10年の住居費はゼロとなるだけでなく、そのキャピタルゲインは4000万円になる。つまり、4000万円もらって住んでいたことになる。
この間、同じ面積の賃貸に住んでいたら、1700万円以上のキャッシュアウトしていたことになる(1700万円=6000万円÷35年ローン×10年間)。その差は5700万円で、年平均で570万円になる。これは不労所得そのものである。
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