ファミリー賃貸の需要は急増する一方、供給は過少なので、その家賃が急騰している。家賃は需給バランスで決まるので、シングルタイプがコロナ禍の非正規雇用(アルバイト・パート・契約社員など)の減少で大打撃を受けたのとは対照的に、正規雇用者が多いファミリー賃貸の需要減は限定的だった。
こうしてコロナ禍で家賃が下がったシングルタイプと上がり続けたファミリータイプではその賃料単価の差が縮小している。さらにシングルよりもファミリータイプの賃料単価が高いエリアは、都心部から郊外部に急速に拡大してきている。
つまり、持ち家を買えなかった層は買えないだけでなく、家賃の高騰に悩まされることになっている。それだけではない。植田和男次期日銀総裁の就任が取りざたされる中、金融緩和の継続の可能性が高くなってきた。こうなると、持ち家価格はますます高くなる。買える人はさらに少なくなり、賃貸層が増える。ファミリー賃貸の家賃は今後、今まで以上に急速に値上がりする可能性が高くなってきた。
高くても持ち家を購入するメリット
ファミリー賃貸がシングルタイプ並みの賃料単価になるとはこういうことだ。25㎡で12万円の立地なら、50㎡で24万円、75㎡で36万円になる。これを1年間支払うと、50㎡で288万円、75㎡で432万円のキャッシュアウトになる。家賃は絶対に戻ってこない費用である。
植田次期日銀総裁の就任で金融緩和が継続し、持ち家価格が今後も上がるなら、高くても持ち家を買っておいたほうがいいことになる。同じ家賃を払うなら、いくらの物件が買えるかは、月の家賃を420カ月(35年ローン)倍すればわかる。50㎡で1億80万円、75㎡で1億5120万円になる。
今後価格が上がり、10年後の価格が今と同じ水準なら、家賃なら戻ってこないが、持ち家なら購入額と同額で売却して、支払った元本相当が全額戻ってくることになる。その額は50㎡で2880万円、75㎡で4320万円になる(※金利の返済は住宅ローン控除で全額回収している前提で計算)。
天国と地獄の自宅選択は今でも続いているのだ。どちらを選ぶかはいつの時代でも自分で決めることができるので、あなたの決断次第となる。
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