「持ち家or賃貸」論争、今この状況における考え方 永遠のテーマを「リスク」を切り口に判断する

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金利が上昇しつつある中、ローンの組み方も悩ましいところだ(写真:8×10/PIXTA)

コンサルタントという看板を掲げていると、いろいろな人からさまざまな相談を受けます。中でも、今年2月以降急激に増えているのが、20、30代の会社員からの住宅取得に関する相談です。

「在宅勤務が定着し、窮屈なマンション暮らしが我慢できなくなってきた。郊外に一戸建てを買おうと思うがどうか?」

「オリンピック後にマンション価格が下がると言われて待っていたのに、逆にじりじり上がっている。買うなら今か、もう少し待ったほうが良いか?」

「金利が上昇しつつある。ローンは変動金利が良いのか、固定金利が良いのか?」

ゴールデンウイーク中に物件を見て最終的に住宅取得を決断しよう、という読者の方もおられるかもしれません。今回は昨今の状況を踏まえ、住宅を巡る諸問題について考えてみます。

なお、筆者は住宅の専門家ではないので、経営戦略・企業ファイナンスの専門家として、「リスク=不確実性」という視点から検討することにします。

マイホームはリスクだらけ

まず、住宅を購入するべきか、賃貸物件に住むべきか、という住宅を巡る「永遠のテーマ」から。

決定にはいろいろな要素があり、結論を出すのは困難です。ただ、経済原理的には、どちらでも損も得もありません。

不動産会社の視点から住宅物件を販売するか、賃貸するかを考えてみましょう。販売するほうが大きな利益を得られるなら、販売する業者が増え、物件価格は低下します。賃貸するほうが大きな利益を得られるなら賃貸する業者が増え、賃貸料は低下します。裁定(アービトラージ)が働くので、長期にわたってどちらかが損することも得することもありません。

では、住宅を買う・借りる側にとっても、どちらでも関係ないのでしょうか。そうではありません。リスクを重視するなら、断然、賃貸物件がお勧めです。

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