「持ち家or賃貸」論争、今この状況における考え方 永遠のテーマを「リスク」を切り口に判断する

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日本で最初のタワーマンションは1998年にできたエルザタワー55(埼玉県)で、2015年に大規模修繕を行いました。初期の頃は、富裕層がタワーマンションを購入したので、修繕積立金が不足するというケースは稀でした。

しかし、タワーマンションがブームになり、普通の会社員が背伸びして買うようになったため、毎月の積立金を払えず、積立金が不足するケースが出始めています。今後、積立金不足から大規模修繕に合意できないというケースが続出するでしょう。

たとえ自分が高収入でも、金銭的に余裕がない他の住民の反対意見で大規模修繕を合意できず、マンションが廃墟化していくというリスクがあるわけです(実際に積立金不足の場合、積み立てた金額の範囲でできる小規模修繕を繰り返し、問題を先送りするでしょう)。他人に自分の人生を委ねたくないなら、マンション購入は危険な選択です。

リスクを考えるなら元利均等よりも元金均等

最後に、住宅ローンはどういう借り方をしたらいいのでしょうか。多くの金融機関は「変動金利・元利均等返済」を勧めるようですが、私は「固定金利・元金均等返済」を強く勧めます。

まず、返済方法には、毎月の返済額が将来にわたって一定の元利均等返済、返済額が減っていく元金均等返済、返済額が増えていくステップアップ返済などがあります。

元金均等返済は、元金が大きい初期段階には金利負担が大きく、元利均等返済に比べて返済額が大きくなります。収入が少ない若い世代には、足元の返済額が少ない元利均等返済やステップアップ返済のほうが「借りやすい」と支持されています。

しかし、元利均等返済やステップアップ返済には、元金均等返済よりも総返済額が大きくなってしまうというデメリットがあります。初期段階では返済額のうち金利を返済する部分が大きく、頑張って繰り上げ返済をしても、元金がなかなか減っていきません。

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