「持ち家vs賃貸」結局どっち?"利回り"で見る結論 現在のマンション相場と家賃からシミュレーション

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実例で説明しよう。4000万円の新築戸建てを月20万円、年間240万円払うとちょうど利回り6%になる。4000万円を住宅ローン金利0.4%で借りると、月返済額は10.3万円で半額になる。

住宅ローン控除の還付金は毎年28万円あるので、月割りで2.3万円となり、月返済額から還付金を引くと、月の実質支払い額は8万円となる。今の家賃の4割の支出で済むのだ。

リースバックには要注意

最近、戸建てをリースバックするビジネスが増えてきている。リースバックとは購入して住んでいる自宅を不動産事業者が買い取るので、いったん売却代金が入る。お金に困っている人は唯一の資産である自宅を売却して資金を手に入れる手段の1つである。その売却の際に、その自宅に住み続けるために家賃を払う契約も同時に結ぶ。家に住み続けながら、資金を手に入れることができるのだ。

しかし、だいたいにおいて不動産事業者が一生懸命やり始めている事業は気を付けたほうがいい。不動産事業者が儲かるということはその顧客になった人は損をするという構図になるからだ。

リースバックの利回りはなんと12%ある。手に入れた資金で家賃を払うにしても最大で8年強しか住むことができない。それだけ考えても持っていたほうが得であるし、資金繰りに困っている家族が数年後に家を失ったら、一家離散となるかもしれない。

そんなことをするくらいなら、別の方法はいくらでもある。通常に売却して、他の家に賃貸で引っ越したほうが家賃は半額程度になる。先ほどの戸建て賃貸の利回りは6~7%で、リースバックが12%なのは家賃が相場の約2倍であることを意味している。

ほかにも方法はある。リバースモーゲージという自宅を担保に入れてお金を借りる方法で、金利は3%ほどだ。これも自宅に住み続けることができるので、リースバックと比較したら、はるかにリーズナブルな方法となる。

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沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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