住宅市場の低迷は地方の中小都市で顕著だ。住宅ローンの重圧がコロナ後の庶民を苦しめている。
中国においてコロナ後の経済復興のカギを握る消費拡大だが、その最大の障害が住宅ローンだ。コロナ禍で収入が減り、ローン返済のために生活レベルを引き下げざるをえない家庭が急増し、コロナ失政に対する不満が高まっている。住宅ローンを抱える世帯の固定金利部分(「付加金利」と呼ばれる)をさらに引き下げる異例の措置を、政府に求める声も出始めている。
2022年末で住宅ローンの貸出残高は53兆1600億元(約1000兆円)。土地の所有形態が異なる農村部を除いた、都市部の総世帯数は2億4300万。その約43%に当たる1億0500万世帯が住宅ローンを利用している。1世帯平均の利用金額は約1000万円に達する。
住宅ローンの重圧
中国の住宅ローンの特徴は、毎月の収入に占める返済額の比率が大きいことだ。日本では返済額の目安は月収の2割程度とされるが、中国では月収の半分以上を返済に充てる例が普通だ。高所得層の中には8割に達する例もある。「不動産価格は上がり続ける」「政府が下落させるはずがない」との神話は根強く、借りられるだけ借りて、目いっぱいレバレッジを利かせ資産を増やす。これが頭のよい生き方との観念が強かった。
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