ペロシ氏の訪台に反発する中国。だが強硬な世論は習政権が糸を引いている可能性あり。
8月2日夜、中国のネット世論は興奮の中にあった。ナンシー・ペロシ米下院議長を乗せた専用機が台湾方面に向かったためだ。中国当局が台湾訪問を「座視しない」と宣伝したため、すわ米中の開戦かと、無数の人々が飛行ルート追跡サイト「フライトレーダー24」に殺到した。
同サイトの発表では閲覧者数は70万人。だがこれは過小だ。そのデータが転送されていたあるサイトでは、専用機の台湾到着時の訪問者カウンターは400万人超え。飛行途中に回線パンクでデータが表示されなくなると、ネット民は「解放軍が撃墜したか」「祖国万歳」と書き込み、大騒ぎになった。
実際には搭乗機は撃ち落とせない。その代わりというわけではないが、中国軍は4日、台湾包囲演習において太平洋域に9発のミサイルを発射し、うち5発は日本の排他的経済水域(EEZ)に着水した(日本の防衛省発表)。中国軍の強大化を実感できた人民はようやく溜飲を下げた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら