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相次ぐ国策ファンド汚職は産業政策の限界なのか 国産半導体の育成で収賄か、捜査の行方に注目

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最有力ファンドのトップが摘発された。今後の展開次第では、産業政策の見直しにつながりかねない。

2021年3月上海でのセミコンダクター展内の展示ブースを見る人々
半導体開発に力を入れる中国。2021年3月、上海でのセミコンダクター展(写真:アフロ)

7月30日、中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会は、半導体産業に投資する政府系ファンド「国家集成電路産業投資基金」のトップ、丁文武氏を法律違反などの疑いで調査中であることをウェブサイトで公表した。この基金は、「政府引導基金」と呼ばれる中国独自の政府系ベンチャーキャピタルの中でも最大級の規模であり、通称「大基金」という。

これに先立ち、7月15日には大基金の管理会社として実質的な運用を請け負っていた華芯投資管理の元総裁である路軍氏が、当局に拘束され取り調べを受けていることが報じられていた。国策ファンドの経営陣トップが汚職容疑で相次いで取り調べを受けていることは、さまざまな臆測と大きな波紋を呼んでいる。

政府引導基金の実態

政府引導基金は、政府機関だけでなく金融機関や民間企業、プライベートエクイティー・ファンド、公的年金基金などから資金を集め、政府プロジェクトへの出資や企業の資金調達、企業合併などに投資をする。

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