習政権は対米競争のため高度人材を望む。だが誰もがついていけるわけではない。
習近平政権が3期目に入り、中国では統治手法に変化が目立ってきている。40年余り前、中国の指導者だった鄧小平は、「豊かになりたい」という個人の願望を許容し、経済を自由化することで国を発展させる方向に舵を切った。だが今、豊かになった中国で、習政権は国家主導のデジタルトランスフォーメーションを進め、科学技術の振興によって中華民族の偉大な復興を目指す。
変化は人事に表れた。新たな政治局委員には経済建設に貢献してきた共産主義青年団出身者が登用されず、経済の専門家もほぼ見当たらない。逆に馬興瑞や袁家軍など、ロケットや宇宙技術の開発に貢献してきた幹部が入り、新疆や重慶など重点地域の統治を任された。技術系人材を重視する傾向は中央委員・候補委員レベルではさらに顕著で、博士の学位を持つ専門家が中央・地方政府の幹部に多数登用された。
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