東大生の驚くノートの使い方「Q&A」多用のなぜ? 頭のいい人が実践している「記憶に残る」思考法

✎ 1〜 ✎ 63 ✎ 64 ✎ 65 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

いかがでしょうか。「なぜ?」に注目した勉強が有効で、そのためには歴史はさかのぼったほうがいいという話でした。桜木先生の言うとおり、因果関係というのがいちばん記憶に残りやすいです。

例えば、接待するときに上座と下座ってありますよね。「奥が上座だっけ? 手前が下座だっけ?」と忘れてしまったときでも、「目下の者が手前にくることで、店員さんを呼んだり、料理を回したりすることができるから、目上の人が奥で目下の者が手前」という理由を知っていれば、すぐに思い出せるはずです。

「目下が料理を注文するんだから、目下が手前で目上が奥だ!」と。

情報の因果関係をひもとく

このように、覚えやすくなるうえに忘れても思い出せるというのが、なぜということを考えておくことの1つの大きなメリットであると言えます。そして勉強ではとくに、この「なぜを考える」のが有効になります。

Q.三十年戦争やピューリタン革命など、17世紀にはヨーロッパで多くの動乱が起こった。なぜ?
A.17世紀には新大陸からの銀の流入が減ったことで経済が停滞したり、気候不順による凶作などが起こっていたりしたため。これを17世紀の危機と呼ぶ。

というノートを作っておけば、テストで「三十年戦争は16世紀に起きたでしょうか? 17世紀に起きたでしょうか?」というような問題が出題されたとしても簡単に解けますよね。

「17世紀の危機のせいで起こったわけだから、17世紀だな!」と。

『無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術』(日本能率協会マネジメントセンター)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

情報の因果関係をひもとくのはとても重要です。「AだからBになった」「Aをしたから、Bが起こった」というような情報を見たり聞いたりしたときに、しっかりAとBの間の因果関係をとらえる必要があるでしょう。

ほかにも変則的ですが、「Aの背景にはBがある」「Bが発生したのにはAの影響がある」というような情報を見たり聞いたりしたときにも、しっかりとAとBの間に因果関係があることを見抜かなければなりません。情報をそのまま咀嚼するのではなく、「なぜ?」を整理する習慣をつけ、ノートもこれを意識してQ&Aをまとめるようにする。これだけで、記憶への残り方が全然違います。

ちなみに、東大入試でも「なぜ?」が問われます。社会でも理科でも「なぜこういうことが発生する/したでしょうか?」という問い方は頻出です。頭のいい人は「なぜ?」を意識するということですね。みなさんも、「なぜなのか」を考える勉強の仕方をしてもらえればと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事