スバル「インプレッサ/クロストレック」の相違点 兄弟車だが試乗で感じた明らかに異なる個性

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タイヤ&ホイール
新型インプレッサのタイヤ&ホイール(写真:SUBARU)

ここはダブルピニオン(2ピニオン)電動パワーステアリング機構が利いている。ドライバーがステアリングを操舵するラック&ピニオン部分と、電動パワーステアリングの電動モーターがアシストするラック&ピニオン部分を分離(2ピニオン化)することで、人と電動モーターの動きがそれぞれスムースに連携し、結果、車体にじんわり操舵を伝えられる。しかも、まわしたときだけでなく、戻す際も連携がスムーズだから、より上質な走りになる。

開発陣いわく、「従来型から、前後サスペンションのバネレートを低くしています。また、ダンパーの減衰力も伸びと縮みの両側で低く設定し、バネレートとの最適化を図りつつ、バンプラバー(サスペンションの底付き部分に取り付けられたウレタンやゴム製の衝撃緩和部品)の減衰特性や形状を見直して全体のバランスを図りました」という。一気に車体が傾かず、限界に近づいても挙動が安定しているのはこのためだ。新旧モデルの乗り比べを含めた詳細は筆者の動画配信サイトでご確認いただきたい。

兄弟車だが明らかに違う味付け

インテリア
新型インプレッサのインテリア(写真:SUBARU)

クロストレックはおおらかな乗り味で、インプレッサは軽快な走り。ベースをともにする兄弟車だが、今回の記事でお伝えしたようにキャラクターは大きく異なる。その2台を公道とサーキットで試乗して、つくづくクルマはプラットフォームが大切であると改めて感じた。ベースをとことん造り込むことで乗り味の違いこそあれ、上質な走りは等しく体感できたからだ。

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この2台は価格競争力も高い。とくにインプレッサは229万9000円~(FFモデル)というリーズナブルな価格を実現した。見た目だけでなく装備も単なるベースグレードにあらずで、SUBARUの看板である衝突被害軽減ブレーキをはじめとした運転支援技術「アイサイトコアテクノロジー」も標準で装備する。

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西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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